スズキ「ハスラー」、売れ筋SUVの発売1年通信簿 タフトと真っ向勝負、2代目も販売好調の理由
軽自動車のSUV(スポーツ多目的車)であるスズキ「ハスラー」が、2019年12月24日に発表されて1年になる。ちなみに発売は、翌2020年1月からであった。ちょうど発売から1年が経過したスズキの軽SUVハスラーの販売状況を踏まえて振り返ってみよう。
今年は、新型コロナウイルスの影響を新車販売も受けることになったが、1~11月の累計販売台数でハスラーは6位と好調で、7万3500台も売れている。ちなみに1~5位を占めたのは、人気が続くスーパーハイトワゴンやハイトワゴンであり、軽自動車SUVで競合となるダイハツ「タフト」は、6月からの発売なので期間は短いが、11月までの販売台数は3万7518台だ。11月単月の販売台数では、ハスラーが6579台、タフトが6503台なので、まさしく真っ向勝負の競合となっている。ちなみに10月は7471台を売ったタフトが、6536台のハスラーを上回っている。
浮き沈みのある今年の新車販売動向ではあるが、ハスラーは7月に8831台と大きく販売を伸ばし、底堅い人気であることを明らかにした。それに対し、タフトは発売最初の6月に5079台からの動き出しとなって、顧客の様子見という印象も受ける。2代目となったハスラーの手堅い人気は、どこからくるのだろうか。
見た目は同じでも質感は初代から大きく変わった
現行ハスラーを最初に目にした写真では、初代とほとんど印象の変わらない姿に、これでは新旧の見分けがつけにくいのではないか?との懸念を抱いた。
ところが、試乗のため実車と対面すると、これは売れるだろうという思いに変わった。基本的な外観の造形は似ていても品質がまったく違って、上質になっていた。格好は似ていても、車体表面の外板に張りを感じさせるふくよかな造形で、それが上級車の雰囲気をもたらしている。
これに比べると、初代は薄い鉄板の組み合わせに思えてしまう。初代がダメだというのではなく、それほど2代目は、軽自動車の寸法的制約があるなかでより立体的に見せる造形と、それを実現する生産技術の向上を目に訴えかけたのだ。
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