スズキ「ハスラー」、売れ筋SUVの発売1年通信簿 タフトと真っ向勝負、2代目も販売好調の理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

室内へ乗り込んでまた驚いた。インストゥルメントパネルには、輪郭を強調したガーニッシュと呼ばれる枠組みが3つ並んでいる。しかもそのガーニッシュは、白、青、橙の3色が設定され、車体色にあわせて使い分けがなされている。運転席の前のガーニッシュはメーター、中央はカーナビゲーション、助手席側はグローブボックスというように、機能を分けた造形の役目も果たしている。そして、前席もガーニッシュと同じ彩りで座席の縁が差し色として使われている。

3つのガーニッシュをアクセントにした遊び心あふれるインテリア(写真:スズキ)

それら装飾は、写真で見るとかなり派手な印象があるが、実車では、大胆ではあるものの嫌味はなく、鬱陶しさもない。遊び心を感じさせる演出といえる。

外観の上質さと、室内の大胆な演出とによって、初代から2代目へ乗り換え、所有する意味を実感させた。一見変わらないように思わせながら、より高められた魅力を実車で感じさせる進化に、感心させられた。

軽自動車の枠を超えた走りと乗り心地

そして試乗をしてみると、そこにも驚きがあったのである。試乗をしたのは、4輪駆動のガソリンターボエンジン車であった。この印象が抜群によかった。運転席に座ってドアを閉めると、その閉じ方がしっかりして軽自動車という薄っぺらさがない。また室内は表の騒音を遮断した静寂さがあり、上級車種の趣がある。

ターボエンジンは、最高出力47kW<64PS>/6000rp、最大トルク98N・m<10.0kg・m>/3000rpmを発揮。これにハイブリッドシステムも加わり、十分な加速性能が得られる(写真:スズキ)

エンジンを始動して走り出すと、タイヤの接地感覚が確かで安心できるうえ、ハンドル操作にも的確にこたえ、手応えがよく、クルマへの信頼が高まる。しっかりした走行感覚でありながら、乗り心地が硬すぎる様子もなく、しなやかに走る。「これはもはや軽ではない」というのが、率直な印象だ。実際、運転しているうちに軽自動車であることを忘れていた。

ガソリンエンジンは、ターボチャージャー付きでも自然吸気でも、全車マイルドハイブリッド仕様で、モーター機能付き発電機(ISG)を装備する。これにガソリンターボ車では過給が加わり、モーター駆動との協調制御によって発進から加速、巡行からの追い越し加速などあらゆる場面で滑らかかつ十分な力をもたらすのである。「これでは、登録車のSUVであるクロスビーが食われてしまうのではないか」と思えるほど、満足度は高い。

次ページ大きく進化した中で感じた唯一の不満点
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事