ダイハツ「ムーヴキャンバス」が指名買いの理由 暮らしにゆとりをもたらした軽自動車の新基準

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子育てをする家族のためのクルマとして生まれたスーパーハイトワゴンは、子供の乗り降りや、狭い場所での乗り降りに便利なように、スライドドアを各社とも採用し、登録車のミニバン同様、その利便性が高い人気につながっている。一方、ムーヴはもちろん、ワゴンRやN-WGNなどを含め、ハイトワゴンでは後ろのドアもヒンジ式で、狭い場所での開閉に不自由する場面もあっただろう。

若い女性に的を絞った初代ムーヴキャンバス

置きラクボックス
ムーヴキャンバスの後席で採用されている「置きラクボックス」(写真:ダイハツ工業)

初代ムーヴキャンバスを開発する際に顧客層として的を絞ったのは、若い女性である。独特な外観や室内の雰囲気など含め、普段と違った暮らしを楽しむ1台として開発された。それに際し、たとえば朝クルマに乗り込む導線として、後ろのドアを開けて鞄などを後席に置き、そして運転席に座るという状況において、後席側がスライドドアであれば車道に大きくドアを開けずに荷物を車内へ入れられる安心感が得られるとした。

その後席には、座席下から引き出しのように荷物置き場を引き出せる仕組みがある。単に後席に鞄などを置いたのでは、走行中に床へ転がり落ちるなどの懸念があるが、この物置場所へ載せておけば、後席の荷物が転げまわるようなことは起きない。普段、何気なく後席に物を置いて、それが走行中に左右へ移動したり床へ転げ落ちたりして気がかりなことを経験した人は多いと思う。それがほったらかされていたのに対し、ムーヴキャンバスは、日常の使い勝手でのちょっとした不便さを見逃すことなく、懸念を解消する利便性を採り入れた。

後席側のスライドドアと、後席下から引き出せる物置という装備は、ムーヴキャンバスに限らず、ほかの多くの軽自動車にあれば便利だと賛同する人は多いのではないだろうか。たったそれだけでも、ほかに選択肢がなければムーヴキャンバスを選ぶ理由になる。

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