中国の本音?駐仏大使、ウクライナ主権に疑義の謎 西側諸国を分断する戦略から見ると逆効果

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中国の対西側外交の基本は、西側諸国の一体化を阻止し、分断することにある。それは米欧の分断であり、欧州諸国間の分断にある。

その意味で、マクロン氏はウイグル族への弾圧など人権問題を強調するよりも「非難よりも敬意を表す」道を選んだと説明し、関係の強化を優先する意向を示した。

マクロン氏は台湾問題に対しても「台湾をめぐる自分たちと無関係の危機に巻き込まれてはならない」「アメリカに追随すべきではない」(フランスのレ・ゼコー紙)との見解を示し、欧州は米中どちらにも属さない姿勢の重要さを強調した。この発言はフランスのいつもの自律を貫く姿勢とも解釈できるが、批判の声も上がった。

マクロン大統領の訪中の目的

マクロン氏の訪中の目的は、ウクライナ紛争で世界の勢力図が激変する中、世界の枠組み作りで主導権を握りたいフランスにとって、EUとともに気候変動や国際テロなどのグローバルな課題に中国の協力は欠かせないとの判断があるという指摘もある。

が、実際はフランスの経済浮上のために中国との関係強化に舵を切ったのは明白だ。加えて、年金制度改革で支持率が25%に落ち込むマクロン氏にとって、外交得点を上げる機会にしたかったという見方もある。

習氏は、マクロン氏の中国滞在中、異例の2回の会食を行い、歓待した。フォンデアライエン氏とは対照的だった。マクロン氏は主だった財界人約50人と芸術関係者などを伴って訪中し、仏中経済協力協定を結んだ。フランス側の発表によると、フランスの航空機大手エアバスが中国航空器材集団から160機を受注、仏電力公社EDFと中国国有の国家能源投資集団は海上風力発電の分野での協力で合意した。

一方、ウクライナ侵攻で孤立を深めるロシアを見る習氏としては広域経済圏構想の一帯一路を推進する意図もあり、対米関係が厳しさを増す中、EUとの関係強化は願うところだ。アメリカとは一線を画した外交姿勢を見せるフランスが強調する多国間主義に習氏は同調し、欧州分断にも役立てたいという思惑も見え隠れする。

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