中国の本音?駐仏大使、ウクライナ主権に疑義の謎 西側諸国を分断する戦略から見ると逆効果

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中国外務省は24日、ソビエト連邦崩壊後のすべての共和国の独立と主権を尊重していると述べ、大使発言から距離を置く火消しともとれる説明を行った。中国外務省の毛寧報道官は「すべての国の主権、独立、領土保全を尊重し、国連憲章の目的と原則を支持する」と述べるとともに「ソ連邦は連邦国家であり、外交問題において全体として国際法の実体の地位を持っていた」「ただ、これはソ連邦の各加盟共和国が国家の地位を持っているという事実を否定するものではない」と述べた。

その後、駐フランス中国大使館は「大使の発言は個人的見解であり、過度の解釈をされるべきでない」との声明を出したが、国を代表する人物の発言は個人的発言だとして許される問題ではない。中国政府が大使発言に否定的見解を示したとはいえ、西側が求める大使からの発言撤回と本国送還には応じていない。欧州はただでさえ、中国に対して厳しい姿勢が目立つ中、対中感情の悪化は避けられない状況にある。

マクロン大統領が中国を公式訪問

ウクライナ紛争で中国はロシアを非難したことがない。3月にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した習近平国家主席だが、西側諸国は中国がロシアに対して武器供与するのでは、と強い懸念を表明している。

そんな中、4月上旬に中国を公式訪問したフランスのマクロン大統領の言動は、習近平氏にとっては外交上、大きな意味を持った。

マクロン氏は習氏に対して「ロシアが理性を取り戻し、交渉の席につくためにあなたの力が必要」と率直に協力を要請し、習氏は中国とフランスには「世界の平和維持の能力と責任がある」と応じた。

同行したEUの欧州委員会のフォンデアライエン委員長は訪中前、「対中デカップリング(経済切り離し)は実行不可能で、欧州の利益にならない」と述べた。一方で、3月末には中国が改革開放から軍事力と統制強化の強硬姿勢を見せていることに対しては、「外交・経済的にリスクを減らす必要がある」と述べ、EUの中国依存を減らす「リバランス」の必要性を主張し、習氏との会談もそっけないものになった。

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