「スラムダンク」中国人がこんなにも熱狂する背景 聖地巡礼として訪日客観光にも期待高まる
『スラムダンク』『名探偵コナン』『ドラえもん』は中国でアニメ放送が始まって数十年経ち、固定ファンが多くいる。後者2作品は毎年劇場版が公開されるため、家族向け作品の定番にもなっている。
宮崎駿作品は1990~2000年代に中国で公開されることは稀だったが、海賊版を通じて触れたことがある人が多く、日本アニメの第一人者として知られる。最近になって過去の作品が映画館で相次ぎ公開されているのは、長年にわたって蓄積された「宮崎駿アニメ」のブランド力だろう。
新海監督はファンとの交流を重視
新海誠監督は過去の作品でファン基盤を確立しているのに加え、公開前に毎回中国を訪れ、ファンとの関係をより深いものにしている。2016年に『君の名は。』で訪中したとき、初期の作品『秒速5センチメートル』になぞらえ「3年後に戻ってくる」と話し、『天気の子』で約束を果たした。
その際も同じことをファンに約束し、コロナ禍後に海外監督としては誰よりも早く中国入り。中国のSNSで何度もトレンド入りした。『秒速5センチメートル』も近く公開されると期待が高まっている。
『万引き家族』の是枝裕和監督、『花束みたいな恋をした』の脚本を担当した坂元裕二氏も中国で過去の作品の知名度が高く、固定ファンがついている。坂元氏の出世作『東京ラブストーリー』は中国でも大ヒットし、当時、日本語専攻に進む学生が増えるほど社会に影響を与えた。
ヒットの鍵として、もう1つ重要な「蓄積」がある。中国のレビューサイトだ。中国で最も有名なコンテンツレビューサイト「豆瓣(douban )」で『スラムダンク』の上映前のレビューは9.1~9.2と突出して高く、先行上映のSNS拡散との相乗効果でスタートダッシュに大きく貢献した。
豆瓣で『スラムダンク』のレビュー投稿は25日時点で7万件に達したが、公開前に既に1万件を超えていた。日本で先に観た中国人が投稿しているためで、在日中国人の口コミが作品のプロモーションになり、中国でのヒットにかなり影響力を持っていることがわかる。
ちなみに、NHK総合で今年3月3日に放送されたテレビアニメ『進撃の巨人 The Final Season完結編』(前編)は、中国での放送予定はないが、豆瓣に1万件以上のレビューがついている。
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