360個の資格ソムリエが語る「本物の見分け方」 これから強いのは「資格とスキルのかけ合わせ」

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━━最近ではChat GPTのようなAI(人工知能)も注目されています。AI関連では有望な資格はありますか。

AI関連でいえばG検定。書店では情報処理技術者試験のテキストと同じくらい注目されている。ほかにDX関連もDX検定DXアドバイザーなどがある。ただ、その手のキーワードは有象無象にあり、たくさん生まれる分、何が生き残るかだ。

例えば、数多くあるご当地検定の中では、京都商工会議所が主催する京都・観光文化検定が残っている。京都は世界的な観光地で注目度が高く、東京でも試験が受けられる。境港妖怪検定(鳥取)なども特色がある。一方で、富士山検定のように終わったものもあり、民間の資格はいつなくなるかわからないから、早めに持っていてもいい。

資格は大きくいえば、国家資格かそうでないかだが、持っているからといって、食えるわけではない。国家資格は基本的にずっと有効で、業務独占できるものであれば、優位性がある。ただ、合格=登録ではないし、登録料などを納めなければならない資格もある。その権利を使い、仕事をするには、ランニングコストも必要だ。

結局、公的資格でも民間資格でも、通用すれば全然構わない。整理収納アドバイザーは民間資格だが、片づけのメソッドから始まり、今や世界的に有名になった方もいる。

”ITに強い社労士”などプラスアルファを

はやし・ゆうじ 1980年東京都生まれ。360個の資格を持ち、デジタル士業として、職場の業務改善を提案。はやし総合支援事務所代表。著書に『社労士事務所のDXマニュアル』(中央経済社)など。ツイッターのアカウントは@yujihys(撮影:尾形文繁)

━━その意味では、資格を取っただけで生かさなくては、非常にもったいないですね。

資格予備校は学校であくまでも資格を取らせるだけ。大事なのは資格の選び方、学び方、生かし方である。

有利なのは「資格×スキル」のかけ合わせだ。額縁に飾ってある社労士ではなく、例えば、”ITに強い社労士”や”英語に強い社労士”など。介護のキャリアがあるなら、”見守る社労士”でもいい。実用レベルでほかのプラスアルファがあると強い。

━━若者ばかりでなく、ミドルやシニアが資格を取っても、これから活かすことができますか。

ファイナンシャルプランナーにはいつなってもいいし、取っておけば、自分のためになるだけでなく、周囲にアドバイスもできる。社労士や行政書士も40代以降がボリュームゾーンで、セカンドキャリアとして考える人が多い。キャリアコンサルタントも厚生労働省が推奨しているし、社会人としての経験を持っている人が向いている。

資格には定年がない。シニアの人なら、民間の占い関連もいいと思う。タロットカードや占星術など。お年を召した方でも、自宅からネットでできるし、向いていると思う。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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