"個人の得意"で稼ぐ「クリエイター経済」の可能性 なぜ欧米で「ブーム」になっているのか?

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これに対して、Web3.0では特定のプラットフォームに依存せず、ユーザー同士でコンテンツやお金のやり取りができる状況を目指しています。

Web3.0のサービスを利用する際には、企業のサーバーに情報を登録する必要がなく、セキュリティーが向上するメリットも期待されています。NFT(Non-Fungible Token =ノンファンジブル・トークン)は、特定のデジタルデータ(デジタルアートなど)の取引記録をブロックチェーンに記録していく技術を意味します。簡単にいうと、ネットワーク内で自身が購入した履歴を証明することができます。

NFTそのものへの関心も高まって

NFTは誰でも販売することができ、「NFTマーケット」を通じて仮想通貨による売買が行われています。やや乱暴な表現をすると、どんなものでもNFT化できるので、クリエイターが販売者になるハードルが一気に下がりました。

現在では、NFTとクリエイターエコノミーがセットで語られることが多いのですが、これはクリエイターが個人で稼げるようになった象徴的な例としてNFTが認知されているということです。

NFTの分野では、OpenSea(オープンシー)、Mintable(ミンタブル)やBitski(ビットスキー)などの多種多様なマーケットプレイスが乱立しています。こういったマーケットプレイスで、クリエイターはもちろん、一般の人もアート作品を出品・販売し、収益を得ている状況があります。

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2021年には当時小学3年生の通称「Zombie Zoo Keeper(ゾンビ飼育員)」さんが、夏休みの自由研究にドット絵のNFTアートを出品し、約380万円の価値がついたことが話題となりました。

この背景には、有名なインフルエンサーがZombie Zoo Keeper さんの作品を購入し、拡散したことで、二次販売(転売)の価格が高騰したということがありました。

今は「NFTバブル」と称される熱狂は下火になっていますが、株と同じように値上がりしそうな作品を購入し、値が上がった時点で売ろうとする投資家も多いので、特定の作品が値上がりする現象が起きるのです。

2022年1月、Twitterが「プロフィール画像としてNFTを設定できるようになった」と発表しました。レアなNFT作品を持っている人が自慢するために公開しているケースもありますが、プロフィール画像にしているNFTアートを欲しいという人がいれば、マーケットプレイスで売買することもできます。これにより、NFT画像をプロフィール画像にするユーザーが増え、NFTそのものへの関心も高まりました。

村上 臣 LinkedIn(リンクトイン)日本代表、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部客員教員、ポピンズ社外取締役、ランサーズ社外取締役

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むらかみ しん / Shin Murakami

青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。2000年8月、株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴いヤフー入社。2011年に一度退職した後、再び2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月に8億人超が利用するビジネス特化型ネットワークのLinkedIn(リンクトイン)日本代表に就任。日本語版のプロダクト改善、利用者の増加や認知度向上に貢献し、2022年4月退任。株式会社ポピンズ 及び株式会社ランサーズの社外取締役ほか複数のスタートアップの戦略・技術顧問も務める。

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