東武新型特急「スペーシアX」、4編成で攻めの戦略 「一点もの」豪華列車が多い中、毎日数往復運行
雨が降っていることを感じさせないほど、白い車体がまばゆく輝いていた。東武鉄道が4月15日に南栗橋車両管区(埼玉県久喜市)で報道陣に公開した新型特急車両N100である。
この白は通常の鉄道車両に用いられる白ではない。今回の車両のために開発した専用の塗料である。「雨の天気に限らず、晴れた日、夕暮れなど、天気や時間帯によって違った輝きを見せる」と、東武の間仲祥司車両企画課長が説明する。そして、何よりこの白は、日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた日本古来の顔料である「胡粉」の白を彷彿とさせるという。
「旅行スタイルに合わせて選べる車両」
日光・鬼怒川エリアは東武沿線最大の観光地である。東武はかつて日光への旅客輸送で国鉄と激しい旅客争奪戦を繰り広げていたが、1956年以降1700系・1720系の投入によって速達性や居住性で優位に立った。1990年からは「スペーシア」という愛称を持つ100系が登場、9編成54両が製造され、現在に至るまで主力車両として君臨している。
そこへ新型車両が登場する。N100の「N」は、新幹線のN700系と700系の関係と同様、100系のニューバージョン(New Version)という意味を持たせた。愛称は「SPACIA X(スペーシアエックス)」。100系スペーシアの認知度、イメージを継承しつつ、Xに新しい価値や未知の可能性といった意味を込めた。6両で1編成の列車が4編成。合計で24両製造される。
「より上質な車両にした。旅行スタイルに合わせて車両をお選びいただける」と、根津嘉澄社長はコンセプトを説明する。製造を担当するのは日立製作所。東武が2017年から運行開始した特急列車500系「リバティ」は川崎重工業が製造し、奥山清行氏がデザイン監修しているが、スペーシアXのデザインは外部ではなく、日立のインハウスデザイナー、髙田裕一郎氏が担当している。
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