東武新型特急「スペーシアX」、4編成で攻めの戦略 「一点もの」豪華列車が多い中、毎日数往復運行

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スペーシアX プレミアムシート
2号車の「プレミアムシート」(撮影:尾形文繁)
スペーシアX スタンダードシート
3・4・5号車の「スタンダードシート」(撮影:尾形文繁)

スペーシアで浅草―東武日光間を利用する場合、運賃に加えて1650円の特急料金がかかる。個室料金は1室3770円だ。一方、スペーシアXで同区間を利用する場合の特急料金はスタンダードシートが1940円、プレミアムシートが2520円。このほかにコンパートメントやコックピットスイートを利用する場合はさらに特別座席料金がかかる。

高級ホテルとの組み合わせは?

JR九州「ななつ星」をはじめとする豪華な観光列車は、わずかな本数しか製造せず、運行も1日1往復程度と“一点もの”の希少価値も売り物となるが、スペーシアXは4編成製造され、毎日2〜4往復運行する。「運行本数が多いと、乗客が飽きることはないのか」という疑問に対し、東武の担当者は「それだけのニーズはある」と自信満々だ。

もっとも、スペーシアXが”一点もの”の希少性を捨てたかというと、そうでもない。東武の傘下には高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」が2020年に開業した。東武百貨店はスペーシアXの運行初日に一番列車のコックピットスイートに乗車するという唯一無二の機会とリッツ・カールトンのスイートルーム宿泊を組み合わせた福袋を発売している。

また、東武グループの系列旅行会社はコックピットスイートやプレミアムシートの乗車と金谷ホテルの宿泊を組み合わせた旅行商品を発売している。こうしたホテルやほかの観光素材とうまく組み合わせることができれば、ななつ星のように富裕層に人気の列車となる可能性もある。

スペーシアXがどれだけの支持を集められるのか。運行開始は7月15日。答えが出るのは今から3カ月後だ。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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