「コロナビール」のメーカーが需要増でも赤字の訳 ワインやテキーラ、ウイスキーも扱う酒類大手

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コンステレーション・ブランズはカナダの大麻大手、キャノピーの36.1%の株式を所有しており、同社の業績不振に伴い第2四半期に10億6000万ドルもの減損損失を計上。これが全体の投資損益を悪化させた。

カナダでは嗜好用大麻が2018年10月に合法化。当初はアメリカでも合法化が進むとみてビジネスの拡大をもくろんでいたが、需要が思うように伸びず、拠点の整理をはじめリストラを急いでいるというのが現状だ。

今2024年2月期も、当社はキャノピー関連で1億4500万~1億8000万カナダドル(約140億~180億円)の損失を見込む。

3年間で最大6000億円を投資へ

一方、大麻以外の見通しは明るい。

ビール事業は主力の「コロナ」「モデロ」に加え、「パシフィコ」といった次世代ブランドも成長しており、今期の部門売上高は7~9%の増加を見込む。原材料高をはじめとする逆風はまだやみそうにないが、部門利益は前期並みの5~7%を目指している。

ワイン&スピリッツ事業は高級ブランドへの集中や効率化を推進。部門売上高は0.5%減~0.5%増と横ばいを見込む一方、部門利益の見通しは2~4%増だ。全体では、大麻関連の損失があっても黒字復帰を見込む。

設備投資もビール事業が中心。2026年2月期までの3年間で総額40億~45億ドルを投資する。今期はまず、メキシコでの新醸造所建設などに約10億ドルを充てる予定だ。

なお、4月13日に始まった「会社四季報オンライン」の米国株サービスでは、当社の業績や株価をグラフやチャートで確認できる。4月17日(月)発売の『米国会社四季報』2023年春夏号と二刀流で分析・研究いただきたい。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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