「娘婿はみんな移民」フランス一家の"異文化衝突" 海外作品をどう買い付けるか、配給会社に聞く
――フランスは先進国の中では比較的出生率が高いですね。
女性は「産めるうちに子どもを作っておこう」という感じです。「結婚は産んでから考えればいい」と。そして、その子どものお父さんとは結婚しないで、ずっと一緒にいて子どもを育てるケースもあります。そのせいか、2つ姓のある長い名前の子どもが増えているような気がします。
社会保障が厚いので、シングルマザーもとても多いです。最近はそうでもないですが、日本では結婚しているか否かをとてもみんなが聞きたがりましたよね。フランスではそれはありません。また「週35時間労働」を法律で義務付けたので、残業時間も少なく、子育てはしやすいようです。
――山中さんは、大学を卒業後、すぐに映画の世界に入っています。
帰国生ではないのですが、英語が好きで、英語を使う仕事がしたいと思って勉強していました。それでたまたま就職雑誌で映像の輸入会社を見つけて応募しました。当時は映像を輸入する会社があるということも知りませんでした。
大学卒業まで神戸で育ちましたが、東京で自立したいという気持ちがあったんです。父には反対されましたが、何年か経ったらまた神戸に帰るという約束で東京に来ました。自立を夢見ており、広い世界を見たいという気持ちがありました。
その会社は、映画だけではなく、ミュージックビデオも輸入していました。社長は何もわからない私に、手取り足取り一から十まですべてを教えてくれました。その会社に入らなければ今の私はなかったと思います。
27歳の時に独立
――27歳の時に配給会社を設立して独立しています。
2年半で海外マーケットや国内の取引先にも行って、買い付けと営業の両方を学びました。3人ぐらいの小さな会社でしたが、自分で会社を立ち上げたほうが自分の配給したい映画を手がけられるのではないかと思って独立しました。
映画は買い付けても、公開できるのは半年から1年先、その間も宣伝費で出費は続くので、買い付けた資金を回収するまでにとても時間がかかります。
何度も会社は傾きかけましたが、そのたびに父に支えられてきました。東京行きには反対していましたが、最終的には事業を応援してくれました。感謝は尽きません。
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