地価急騰の木更津、移住者引き寄せる納得の理由 都心も通勤圏、自然環境と商業施設が充実

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木更津には大型の商業施設が集積(筆者撮影)

3月下旬、公示地価が発表され、東京圏の住宅地の地価上昇率において木更津市(千葉県)がトップに立った。子育て世代の移住人気も高いという木更津市の市全体の公示平均価格は3万6900円(1平方メートルあたり)。同じ千葉県内で比較すると、人気住宅地として知られる浦安市の同32万5700円の約1割、流山市の同13万4600円の約3割の水準となっている。

その中で東京圏1位の地価上昇率となったのが木更津市金田東4丁目(JR内房線袖ヶ浦駅から2.1キロ)だ。今年の公示価格は6万0700円で前年比20.9%の大幅上昇となった。

国土交通省の公示地価関連サイトには、金田東の地価上昇について、「東京湾アクアラインを利用した都心へのアクセスが良好であることや再開発事業の進展による生活利便性向上への期待感から、住宅需要が旺盛となり、地価は高い上昇を見せている」と分析している。

4月上旬の平日、現地を取材した。金田東4丁目は木更津金田インターチェンジを出てすぐの住宅街だ。周辺には三井アウトレットパークをはじめ、スポーツデポ、カインズ、ケーズデンキなど郊外型の大型商業施設が集積する。金田東エリアの土地分譲はすでに終了し、街がほぼでき上がっている感じだ。

続いて、開発が進行中の金田西エリアに向かう。ここは千葉県が面積110.8ヘクタール、人口約7000人の「かずさアクアシティ」という街づくりに取り組んでいる地区だ。交通インフラの拠点は「木更津金田バスターミナル」。東京駅までのバスの所要時間は約40分、羽田空港(第1ターミナル)は約20分だ。近くて速い。通勤にも旅行にも重宝だ。

バスターミナルの先には2020年にオープンしたコストコ木更津倉庫店があり、ここは日本法人の本社所在地でもある。駐車場の車は袖ヶ浦ナンバーが目立つ。地元客がメインだが、横浜ナンバーや多摩ナンバーも散見される。

木更津にはコストコの日本法人本社もある(筆者撮影)

店内はまさに巨大倉庫だ。食料品、日用品、家電、タイヤなどに加え、カヤックまで販売している。客は巨大なカートに大容量の肉や魚、酒類などを積み込んでショッピングを堪能中。アメリカンな雰囲気を楽しめる空間だ。

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