ロボットスーツが変える建設現場の未来 大和ハウスとサイバーダインが実証実験へ

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会見では、ロボットスーツを着用して25キロの袋を持ち上げるパフォーマンスも

ただ、理想は高くとも、実際に現場で使ってみなければどのように使えるのか、本当に想定しているような作業環境の改善につながるのか、わからないこともある。そこで2015年5月から、大和ハウスが施工する都内銀座の建設現場を始め、フジタの千葉工場、大和リースの関西工場など7カ所に、計10台のロボットを導入し、実証実験を開始する。

たとえば、現行モデルは防水機能を持たないため、屋外での使用には耐えられない。また、バッテリーを含め約3キロと“軽い”ので装着したままでも長時間、作業ができるというが、3キロという荷重は、意外とバカにできない重さだ。

建設現場の多くの場面では安全帯の装着が義務づけられるが、安全帯の上からロボットスーツは着用できず、作業場面は限られる。さらにロボットスーツを装着するためには、それなりの空間と時間も必要となるなど、すでに課題も指摘されている。

1年後の本格運用を目指す

このため1年間をかけて、使い心地やさらなる課題を探る。当面は10台だが、作業に有効ということがわかってくれば、順次、投入台数を増やし、さらなる検証を深めていくという。現場ならではの提案もまとめ、サイバーダインにフィードバックしながら、軽量化や着脱の容易さなども含めた改良を行い、2016年5月からの本格運用を目指す。「作業員の現場定着に貢献できれば」と、大和ハウスの中岡一郎理事技術本部技術部長は期待を込める。

大和ハウスは、今回の建設現場での作業用ロボットの実証実験と並行して、サイバーダインが開発・製造した介護支援用「ロボットスーツHAL」3種の販売も開始する。対象は全国の介護・福祉施設のみへのレンタル販売で、初年度には合計70台の販売を目指す。すでに2008年10月より介護・福祉現場向けに、サイバーダインの旧来型のロボットスーツを販売しており、これまでに約160施設、360台をリース・レンタル販売した実績も持つ。

ほかにも出資会社が開発した自動排泄処理ロボット「マインレット爽(さわやか)」、セラピー用アザラシ型ロボット「パロ」、リフォーム会社向けに狭小空間点検ロボット「moogle(モーグル)」など、ロボット事業は着々と拡大している。

現在の計画では、ロボット事業の売上高目標は2020年に10億円。大和ハウスが掲げる2055年度の売上高目標10兆円に占める割合は微々たるものでしかない。だが、住宅や介護・福祉業界は、とかく人手がないと成り立たないビジネスでもある。世界で高齢化が進むにつれ、大和ハウスのロボット事業も重みを増してきそうだ。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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