「試合で借金、負ければ終わり」ボクシングの残酷 世界戦はギャンブル、自宅を担保にする会長も
JBCは、ライセンスの発行など、ボクシング興行を客観的にチェックする監査機関のような存在だ。一方、ジムは興行を成功させるため一人で何役もこなさなければいけない側面を持つ。そのため、中小ジムはどうしても疲弊していく傾向にあるという。
「ボクシングの場合、選手はキャリアを重ねていく必要があります。試合をして勝たないとランクが上がらず、タイトルマッチまでたどり着くことができない。人気があるからタイトルマッチができるというわけではないんです」(亀田さん)
キックボクシングで活躍した那須川天心選手が、ボクシングに転向したのは周知の事実だろう。天心選手のような大人気選手であっても、ボクシングのリングに上がる場合は、プロテストで合格する必要がある。もちろん、どれだけ実力や人気があっても、ボクシングの実績はないため、下から上がっていかなければならない。

「ジムの会長は、選手のランクを上げるために試合(興行)をしなければいけないのですが、中小ジムではどうしてもマッチメイクやファイトマネーに限界がある。赤字覚悟で興行を行っているところも少なくない」(亀田さん)
「毎月の会費でなんとかやりくりしている小さいジムが、『世界戦を組みたい』といっても無理がある。ギャンブルみたいなもので、仮に何千万円というお金を集めても、負けてしまえば何も残らない」(内山さん)
「そうなんです。中には、自宅を担保にしてお金を借りて世界戦をするというジムの会長もいるくらい。あまりにリスキーなんですよね」(亀田さん)
そのため既存の構造は、小中規模のジムで有望選手が現れると、大手ジムに移籍する。豊富な選手層を武器に、大手ジムは世界戦を含めた大きな大会を打つ。いうなれば既存のボクシング業界は、中央集権型のような構造になるわけだが、亀田さんが手がける興行は、どのジムの選手も参加できるように門戸を開いている。つまり、中小ジム(と所属選手)に負担をかけることなく、試合の場を提供することを可能にしている。また、プラットフォーム構想を確立するために、「選手の引き抜きをしない」ともメディアを通じて公言している。
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