乱痴気騒ぎ深刻化「アムステルダム」パリピに警告 大騒ぎする英国の若者男性に「来るな」の広告

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アムステルダム市はさらに売春街「飾り窓地区」を縮小するために、代替案を模索している。そのひとつが、市中心部の外に合法売春の代替施設「エロティック・センター」を建設する案だ。市は3カ所の建設予定地を検討中だが、近隣住民からは反発の声が上がっている。

パーティー都市からパリピを遠ざける難しさ

騒がしい観光客はアムステルダムにとって新しい現象ではない。今回のキャンペーンは以前よりも露骨なものになっているとはいえ、市が同様の訴えを行うのはこれが初めてではない。

2018年には、即金での罰金を導入。街頭での市職員の存在感を高めると同時に、イギリス人とオランダ人の男性をターゲットに広告キャンペーンを展開した。それらの広告は、酒を飲んだり大声で歌ったりすることはバーの店内にとどめ、路上では行わないよう、説明入りの画像で観光客に注意を促すものだった。そこには、悪質な行為には罰金を科すという警告も含まれていた。

アムステルダム市は「来るな」の動画と並行して、すでにアムステルダムに滞在している観光客向けに適切な行動を促す啓発活動「ハウ・トゥー・アムステルダム」を開始したと発表している(同ガイダンスには、過度の騒音、公共の場での排尿の違法性、および路上で売人から麻薬を買うことについての警告表示が含まれている)。

バチェラー・パーティー、バチェロレッテ・パーティー(独身最後のパーティー)の企画会社「ラスト・ナイト・オブ・フリーダム」の広報担当、イアン・ジョンソン氏は、今回の広告キャンペーンについて、「あまり好きではない。少し近視眼的だと思う」と語った。彼は、イギリス人観光客はあそこまで悪く言われるいわれはないとし、動画は無駄に問題を大きくするものだと付け加えた。

ジョンソン氏は、ラスト・ナイト・オブ・フリーダムがアムステルダムで企画している独身最後のパーティーは年間およそ100グループ分に上ると話し、今回の広告の効果には懐疑的な見方を示した。パーティーの街というアムステルダムの評判は揺るがない、というのがその理由だ。

「こちらの商売は盛り上がっている。今回のキャンペーンでそれが止まるとは思わない」とジョンソン氏は言った。

(執筆:Claire Moses記者)

(C)2023 The New York Times

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