防災関連工事に強い飛島建設が建築物の耐震化提案など専門チーム設け技術コンサルに力点【震災関連速報】

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防災関連工事に強い飛島建設が建築物の耐震化提案など専門チーム設け技術コンサルに力点【震災関連速報】

防災関連工事を柱とする飛島建設は、4月1日付で東日本建築支社に建物の耐震化などについての技術コンサルティングを行う専門部署を設置した。組織名は「災害対策チーム」。当面7~8人の陣容だ。

大震災後に東北から首都圏までの幅広いエリアで、地震被害の影響や備えについて技術診断を受けたいという顧客ニーズに緊急で対応する。同社が施工した建物以外でも積極的に対応するほか、建て替えによって生じるアスベスト除去や液状化対策など土壌改良といった土木構造のリニューアル案件の受注増につなげる考えだ。

災害対策チームは、診断料を徴収するコンサルティング事業として出発する。基礎や梁の強度を非破壊検査するノウハウなどを場合によって駆使しながら、個別に建築物を診断。その結果に応じてリニューアル工事の提案を行って、建築と土木の両面で受注強化につなげる。

政府は、震災前から病院や学校、下水道配管など急を要する耐震補強工事の予算を増やす方針を打ち出していた。地方自治体や民間でも、今回の大地震を機に、建築物の耐久性を再度点検する機運が高まっている。ただ、ゼネコンの場合、耐震補強工事の案件といっても、新築当時に請け負って、現在は老朽化した建築物が中心なので、ボリュームは限られる。各社とも、新規受注増に直結させるには、ライバルとの競合に競り勝つこと、つまりは他社施工の案件を獲得する必要がある。

飛島建設は、被災地の仙台や南相馬の両市役所や東北大学など大型公共施設で、トグル制震構法という保有技術を使った補強工事を行った実績がある。現在施工中の案件で最大規模の山形大学附属病院を含めて、これら被災地では、開発したダンパーの作用で揺れが制御されて、損傷がほぼなかった。また、施工中の長崎大学病院本館のようにトグル構法以外の改修工事の実績も豊富で、防災拠点の中核となる役所や医療施設向けの耐震コンサルティングを行う際には、有利なセールスポイントとなる。

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