サムスン、好発進した後継体制の舞台裏

長男・李在鎔副会長体制の成果と課題

サムスンの未来像を示すに十分な、意味のある変化も見られる。攻撃的なM&Aがそれだ。サムスンは2000年代半ばにグローバル企業の面貌を備えたが、M&Aに積極的な企業ではなかった。2007~10年の3年間のM&Aはたった3回。2011年から少しずつ増え始めたが、それでも年間3~4件程度に過ぎなかった。しかし、李副会長が経営をリードしてから、はっきりと変わった。サムスン電子は昨年5月から今年3月までのわずか10カ月間で、8つの企業を買収した。

2014年5月にビデオ関連応用アプリケーションを開発する米セルビー社を皮切りに、エアコン流通企業のクワイエットサイド、モバイルクラウドソリューション開発のプリンターオンなどを相次いで買収した。年が替わってからはひと月に1社ずつM&Aを発表している。1月にはブラジルのプリンティングソリューション企業であるシムプラス、2月にはモバイル決済のループペイを買収したMWC開催中には、新たな家族を迎えようと米国に向かった。サムスン電子は3月4日、商業用LEDディスプレイ企業であるYESCOを買収した。

このような流れは当分続きそうだ。サムスン電子の元役員は「新規事業を開拓するならば、規模が小さくても特許を保有していたり技術力がある企業を買収し、スピードを高めるべきだとサムスンは考えている。最近、かなりの数の役員が世界各地に飛び、買収対象を積極的に物色している。買収関連のニュースは今後も続くだろう」と述べた。

実弾も十分にある。現在、サムスン電子の現金などの流動資産は22兆ウォンレベルで、4年間で3倍に増えた。「今年のサムスンはあっと驚くような超大型M&Aを発表する」という予想が力を得ている理由だ。

相次ぐM&Aで成長基盤を形成

余裕があるからといって買収しているわけではない。詳細に見てみると、はっきりとした方向性が見えてくる。まず、インターネット・オブ・シングス(Internet of Things, IoT)だ。IoTは生活の中の事物を有線・無線ネットワークに連結し、情報を共有するシステムを言う。自動車や冷蔵庫などが一つ一つのコンピュータ役割を果たすと考えると理解しやすいだろう。この事物が人の制御によって自ら情報を受けたり与えたりするのが核心だ。

最近、IT業界で最大の話題の一つだが、MWCで最も話題を集めたのもIoT関連製品とソリューションだった。話すだけでハンドルが児童で動く自動車、ボールを叩いた場所と運動量を測定するテニスラケット、アプリケーションと連動して天気と道路状況や障害物などを知らせる自転車などが代表例だ。数年前まではまだ研究段階だったIoTはすでに成長確実な市場として形成されており、着々と成長している。2013年に2030億ドル規模だったグローバルなIoT市場は毎年20%以上成長し、2022年には1兆2000億ドルを超えるものと予想されている。

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