資産1億超の34歳投資家「初心者はここを押さえよ」 優良ETF・投資信託から自分に合ったものを選ぼう
■分配金によるメリット・デメリット……「ETF」や、分配金が出るタイプの投資信託では、分配金が出された時点で分配金額分の利益が確定。先に分配金というかたちで部分的に利益を確保できるメリットがある。食費・光熱費・旅行・趣味といった生活費の一部または全部を分配金でまかなうことができれば、目に見えて生活が豊かになる実感を得やすい、といった精神的なメリットも。
ただし、分配金を出すとその時点で税金がかかり、再投資する場合も税引き後の金額を再投資することになり、複利効果の低下(運用効率の低下)がデメリット。
■出口戦略の観点……「投資信託」は定期売却サービスといって、毎月定額または口数を定率や一定数に決めて売却が可能。しかし相場低迷時には1口あたりの価格が下がるので、「5口で10万円だったのに、相場が下落したから5口で7万円にしかならない…」といった具合に、取り崩すと損した気になる可能性も。後述する「定率法」で取り崩せば、この問題はある程度解消できる。対して「ETF」の分配金は、元本を取り崩さずに分配金が自動的に振り込まれる。
以上から、下の表のようにまとめられます。
投資信託かETFか、自分の価値観や好みに応じて、心地よく感じるほうをお選びになるとよいと思います。
心地よい投資③投資に期待しすぎない
投資を心地よく継続するには、収益率を期待しすぎないことが大事です。
投資家が受け取る株式投資の収益率は、経済成長と同等または+αとなる平均3〜7%程度に考えることです。GDP(国内総生産)統計上、企業が生み出した付加価値の一部が賃金として労働者に、一部は税金として政府に、その残りが株主へ分配されます。つまり、労働分配率(付加価値に占める人件費の割合)や法人税率に変化がなければ、GDP成長率と企業収益の伸び率はほぼ等しいと考えられます。
世界経済の成長率は3〜4%程度なので、資本全体のリターンもそれに準ずると考えられます。リスクが高い資産ほど期待リターンも高いので、資本を債権(融資や債券など)と株式に分解すると、ローリスク資産である債権のリターンは低く、ハイリスク資産である株式のリターンは高くなります。
過去のデータが充実している米国株のリターンが7%程度であることをふまえると、株式の期待リターンは3〜7%程度と考えてよいでしょう(この水準を著しく上回るリターンが続いているならば、相場が過熱している可能性を示唆します)。
市場環境より高い収益率を継続してねらうには、市場の波にタイミングよく乗る、または個別株投資やレバレッジをかけて収益率を高めるなど、独自の手腕が求められます。
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