高校時でわかる「大学までの人、大学からの人」の差 大学入学後に「社会で活躍できる人」が持つ素養

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このように、大学では「自分から問いを立てる能力」が必要になってきます。高校までの勉強が「あらかじめ設定された質問に対して、1つの答えを探す能力」が求められていたのに対して、大学からの勉強では、そもそも質問自体を自分で探すことが必要なうえに、複数の答えを探さなければならないわけです。

これは東大に限った話ではなく、ほかの大学でも同様です。もっといえば、社会に出てからも同じだと思います。上司の質問に答えられる人が求められるのではなく、「この会社の課題は何か」「この会社の事業としてどんなことをしたらいいか」を「自分から」考える人材が求められるわけです。

東大生の中でも、この「問いを立てる」ができる人・できない人ははっきり分かれてしまいます。受験勉強で求められていた「与えられた問いに答える能力」が高いから東大に合格できたけれど、「自分から問いを立てる能力」はあまり養ってこなかった、という学生も一定数存在するのです。そうすると、やはりそこでうまく大学を活用できず、理想とのギャップに苦しんでしまうわけです。

早い段階から「大学のような学び」が必要

最近の東大入試、そして大学入学共通テストでも、「あらかじめ設定された質問に対して、1つの答えを探す能力」ではなく「自分から問いを立てる能力」のほうを重視するような問題の出題が増えているように感じます。

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知識で解ける問題が極端に減り、しっかりと何が問題なのかを考え、1つではなく複数個の答えを考える能力を求める問題にシフトチェンジしてきているように感じます。

だからこそ僕は、早い段階から「大学のような学び」が必要なのではないかと思うのです。高校生の間に、しっかりと大学で行われている学問や、大学の学部のことを学ぶのです。

なにも、発想力を鍛える必要はありません。「今、大学生の先輩たちはどんな勉強をしているのか」「あと3年したら、自分はどんな勉強を大学で行おうか?」と考えるきっかけを持っておく。そうすると、高校までの学びの中でも「そういえば、これってなんでなんだろう?」と普段の授業の中から問いが見つかるようになるかもしれません。

「自分から問いを立てる能力」を養う勉強を、ぜひ多くの人にしてもらえればと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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