欧州最高の"知の巨人"が語る「日本復活への3条件」 「研究費の増額」「若者の創造性の発揚」「異論への称賛」

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今日、私たちが学んでいる多くのことは、もう必要なくなります。読み書きや計算も学ぶ必要はありません。なぜなら、それは機械がやってくれるからです。しかし、大変多くの他のことを学ばなければなりません。既存のシステムの中からベストを選ぶとしたら、世界で最高の2つは、フィンランドと韓国だと思います。いい面を持っています。

日本がデジタル技術企業の創出で遅れをとる理由

そして、さらにより踏み込んで新しいテクノロジーを、一部は学校で、一部は家庭で活用する必要があります。そして、内容よりも価値観を学ぶことです。内容は常に変化しますから。例えば「人は非暴力的であるべきだ」という価値観を学ばなければなりません。暴力を避ける方法を教える学校を見たことがありませんが、これは将来において間違いなく根本的に重要なことです。

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――日本は国際競争力のあるデジタル技術企業の創出において遅れをとっていると思われます。なぜだと思いますか。また、今後日本が追いつくための方法はあるのでしょうか。

ジャック・アタリ:それは、研究にもっとお金をかけることでしょう。そして、若者の創造性です。そして、最も大切なのは、異論を称えることです。大勢順応を称えるのではなく、異論を称え、前例のないことに挑戦することを称えるのです。

グローバルな軍隊の一員ではないことを、「自分らしくありたいこと」を、称えるのです。スタートアップ企業やデジタルの成功は、ルールに従って行動しなければならない、と信じていない人たちによってもたらされています。 

つまり、彼ら彼女らは、「ルールを破らなければならないこと」を理解し始めています。ここにはおそらく、日本社会の文化的要素があるのかもしれません。日本社会が基づいているのは、ルールに反したら称賛されるのではなく、ルールに従って振る舞うということですから。

ジャック・アタリ 経済学者/思想家

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じゃっく・あたり / Jacques Attali

1943年アルジェリア生まれ。経済はもちろん、政治や文化芸術にも造詣が深く、あらゆる主題を網羅した文筆活動を行っている。ソ連の崩壊、金融危機、テロの脅威、ドナルド・トランプ米大統領の誕生などを的中させたことでも知られる。主な著書に『21世紀の歴史――未来の人類から見た世界』『危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』(作品社)、『2030年ジャック・アタリの未来予測――不確実な世の中をサバイブせよ!』『海の歴史』(プレジデント社)など。

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