「STEM女子」こそ、世界を変えるパワーになる理由 テクノロジーを学ぶと人生の選択肢が広がる

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山田:日本はさらに遅れているかもしれない。本人はSTEMが好きなのに、「女の子なのに、進路を理系にして大丈夫?」と言う人が、まわりにいるんです。だからYokyさんのようなロールモデルがもっと増えるといい。「STEM分野に進むとこんな職業があってこんな活躍ができる」とリアルに感じられれば、状況はかなり変わると思います。Yokyさんは最初からSTEMがお好きなんですよね?

松岡:子どもの頃から「ロジカルに答えがあるものはいいな」と思っていました。歴史や国語は答えがたくさんありそうで実はなかったり、はっきりしないところがイライラしたりして(笑)。数学はその点、1+1=2ですっきりしています。

「世界をよくしたい」Z世代こそSTEMが必要

山田:僕も数学専攻ですが、数学が好きというより「早稲田に行きたい」という気持ちが強かった(笑)。でも、答えがはっきりしているところは好きですね。たとえばプログラミングは「書いたら動く」。やったらどうなるか、「行動のその先」が見えるのはおもしろいですよね。

山田 進太郎(やまだ しんたろう)/1977年愛知県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。大学在学中、楽天でインターンとして「楽天オークション」の立ち上げに携わる。卒業後にウノウを設立し、ウェブサイトの企画運営やソーシャルゲームなどを展開する。2010年ウノウをアメリカジンガに売却、2012年にジンガジャパンを退社し、2013年にコウゾウ(現・メルカリ)を創業。フリマアプリ「メルカリ」を展開し、2018年には東証マザーズに上場を果たす(2022年東証プライム市場に昇格)。 2021年山田進太郎D&I財団を設立、2022年に公益法人化(撮影:梅谷秀司)

松岡:「数学っておもしろい」だけで終わらせず、「数学をやったらどうなるか?」をつなげるのがすごく重要ですね。その思いもあって、小中学生向けに講演してと頼まれると、忙しくてもOKしています。

学校で「数式を解きなさい」と教えるだけでは子どもたちには響きません。もっと幅広く、「数学や工学を学んだらロボットが作れるよ。ロボットを作れたら、みんなの生活をよくできるよ」というところまで伝えないと。

私は電気工学とコンピューター科学を専攻しましたが、実際、テクノロジーを学ぶと、かなり選択肢は広がるんです。

山田:STEMに進むと、より自分がやりたいことをやれる。

松岡:はい。Z世代と呼ばれる若い人たちは「世界をよくしたい、環境を守りたい」という気持ちがすごく強い。だからこそ「世の中の問題には数学や科学が関係してるじゃない? STEMを学ぶと役に立つからぜひがんばって!」と言ってあげたいんです。

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