「STEM女子」こそ、世界を変えるパワーになる理由 テクノロジーを学ぶと人生の選択肢が広がる
山田:僕は人の可能性を考えたり、選択肢を広げたりすることが好きなんです。Yokyさんは何かを選択するときに、おもしろいフレームワークを使って判断すると聞きましたが……。
松岡:はい。選択肢が3つあれば、カテゴリー別にそれぞれのスコアをつけて、総合得点を出したりします。
山田:僕の場合は何かを選択するとき、プロコン(Pros & Cons)をまとめて判断するので親近感を抱きました。
松岡:いろいろと共通点が多いですね。
山田:ただ、僕はYokyさんと違って勉強は大嫌いだし、何かの賞には縁がないですけれど(笑)。
STEM女子の分かれ目は小学4年生?
山田:Yokyさんはずっとテクノロジーの最先端で働いてきた「STEM女子」の草分け的存在でもありますね。僕は財団(山田進太郎D&I財団)でSTEM女子を応援しています。日本はSTEM分野を選ぶ女性が圧倒的に少ない。OECDの中でも最低です。
松岡:STEM分野に女子が少ないのは、日本だけのことではありませんよ。私がアメリカの大学や大学院で学んでいたとき、いつも女性はクラスに自分1人でした。つねに男性の中にいるから、家に帰って鏡を見て「あっ、私は女性だったんだ!」って驚いたりして(笑)。
その状況は30年近く経った今も、あまり変わっていません。NSF(アメリカ国立公衆衛生財団)のリサーチだと、小学4年生の子に「科学者や数学者になりたい人は?」と聞くと、女の子も男の子も70%が手を挙げる。ところが7年生になると、男の子は60%なのに女の子は40%に下がってしまう。4年生から7年生の3年間に、何かが起きるんですね。
これは別の研究ですが、女の子は「成績が『A』じゃないと『数学が好き』と言っちゃいけない」と思っている。一方、男の子は「『C』だって自分が好きなら好きでいい」と思うのに、です。
さらに、中学生ぐらいになると女の子は「数学が好きなんてカッコ悪い、モテない」と思うようになる(笑)。これは困ったことです。「STEMはカッコ悪くないんだよ!」って伝えないとダメなんです。