秩父のDXで「アナログの蓄積」が重要と実感の訳 本質は「人中心のデータプラットフォーム」に
国や自治体としては、住民に対して良かれと思ってデータを集めようと思っても、データを提供する住民が負担に感じてしまっては、元も子もない。
そのため、地域幸福度(Well-Being)データの基本的なフォーマットは国が示すにしても、それぞれの地域特性に合ったデータ収集と、それを用いた“データ見える化”が必要になってくる。
つまり、それぞれの自治体にとって、また住民にとって、これからの地域づくり・まちづくりという出口戦略に対して、向き合いやすい形の“見える化”が大前提となる。
アナログ体験の積み重ねこそ
秩父市と横瀬町の事例のようなデータ連携基盤やダッシュボードシステムから、いわゆる『データのプラットフォーム』という表現をイメージする人は少なくないだろう。
スマートフォンやインターネットサービスによる実体験から、GAFAM(グーグル、アップル、ファイスブック〈現メタ〉、アマゾン、マイクロソフト)に代表されるような、IT超大手が牛耳る世界を思い浮かべるかもしれない。
たしかに、国が現在進めているガバメントクラウドなど、大きな枠組みについては、経済安全保障における十分な検討と配慮をしたうえで、IT超大手との連携も考えられるだろう。
また、IT超大手による『データ ドリブン』という、さまざまなデータを集積・解析したデータのシステムがユーザーに直接影響を及ぼし、そこから生まれる需要に対して、メーカーやサービス事業者がビジネスを進める、といった考え方もある。さらに『データ ドリブン』は、車載OS(オペレーティングシステム)でも、IT超大手の影響力が強まる動きも出ている。
これらのことから言えるのは、世の中のDX化が加速している中でさまざまなデータプラットフォームが生まれ、協調領域についての再認識と新たなる競争の始まりが予測されることだ。
しかし、最も大事なことは、「データとは“人そのもの”である」という意識を、データを扱う者が常に持ち続けることだろう。
なぜデータを集めるのか、そしてそれをどう活用するのか。こうした意識を重んじ、現実社会でアナログな体験をしながらデータを丁寧に積み重ねていくことが、「人中心のデータプラットフォーム」構築に向けた道であるべきだと思う。
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