運送大手セイノーも頼る「ハコベル」、DXの実力 諸悪の根源「多重下請け構造」を打破できるか

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低い積載効率など物流業界が抱える課題の解決をDXで目指すハコベル。セイノーホールディングスと組み、新たな取り組みも動き出した。

西濃運輸のトラック
運送大手のセイノーホールディングスは2022年にハコベルを子会社化。オープンな物流プラットフォームを構築する方針を打ち出すなど、老舗企業でありながらも柔軟性に富む(編集部撮影、写真は一部加工)

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荷主はどの運送会社が自分の荷物を運んでいるか知らず、実際に運ぶ運送会社は元請け企業がわからない。案件を仲介する複数の運送会社やブローカーにマージンが抜かれ、末端の会社は低採算の仕事を強いられる。そのシワ寄せは低待遇・長時間労働となってドライバーにいく。トラックの積載率が4割を切るなど効率の低さも長年の課題だ。

多重下請け構造の物流業界では、そんな問題が常態化している。自ら首を絞めるような商慣習や非効率性を打破できないか。2015年に始まったのが、荷主と運送会社をつなぐマッチングサービス「ハコベル」だ。

ハコベルはネット印刷を展開するラクスルで誕生。2022年8月には、複数の荷主の荷物をまとめて運ぶ路線トラックの大手、セイノーホールディングス(HD)の傘下(セイノーが50.1%、ラクスルは49.9%出資)に入り、再スタートを切った。

業界のDXを手がけるベンチャーが業界大手の傘下に入るケースは珍しい。アナログな物流業界ではなおさらだ。両社の社歴の差はなんと85年。老舗とベンチャーのタッグは業界をどう変えるのか。

メリット大だが、課題も残っていた

ハコベルでは、荷主がネット上で仕事を依頼し、登録している運送会社とマッチングする。登録荷主数は5万2000社、車両登録台数は3万8000台。マッチング率は98%(2022年7月時点)とほとんどの案件が成約に至る。また、案件の9割は荷主から直接受けるため、多重下請けによる低採算の案件を避けられる。

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