物流業界では、荷主が運送会社に適正な対価を支払わないなど理不尽な取り引きが散見され、シワ寄せはドライバーに及ぶ。厚生労働省や公正取引委員会も対策に動き出しているが、この状況は改善されるか。
「運送会社が荷主から『パートナー』なんて呼ばれるようになったのは、本当にここ1~2年のことですよ。物流業界を認めてくれるお客さんはまだまだ少ない」。ベテランの運送会社社長は淡々と語る。
運送会社からの運賃交渉の提案を門前払いし、40年以上前の契約金額のまま荷物を運ばせる。トラックドライバーを10時間以上待たせても待機料金を一切支払わない。数トンの過積載も「それくらいいいだろう」と押しつける。特に理由もなく手数料として勝手に代金を一律5%差し引く。
こうした通常の取引関係ではありえないことがまかり通っているのが物流業界の厳しい一面だ。顧客である荷主にとって物流費はコストであり、運送会社は下請けにすぎない。「商慣習だから」と、荷主からパワーハラスメントまがいの取引を強要されるケースもある。
荷下ろし、ラベル貼りまでやらされる
荷主の拠点や配送先の周辺で荷積みや荷下ろしを待つ「荷待ち」はドライバーの長時間労働につながる一因でもある。運送会社の73%が経験(2021年の国土交通省調査)するなど、業界では常態化している。
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