荷主の要望に翻弄される日々。長時間労働の是正だけでは報われない。
第2回:最大手ヤマトが見据える「物流2024年問題」の焦点
第3回:置き配で「罰金5万円」、ドライバー搾取の深刻問題
第4回:物流業界の「下請け構造」はDXで打破できるか
第5回:身売り・廃業に悩む「下請け運送業者たち」の悲鳴
第6回:30分以内にお届け「爆速クイックコマース」の衝撃
第7回:アスクル、ローソンが始める「配送現場」の大改革
おそらく誰もが一度はトラックの路上駐車を目撃したことがあるだろう。「邪魔だな」と、運転席をのぞき込もうとした人もいるはずだ。
トラックの路上駐車の多くは道路交通法違反。メディアでも時折、「迷惑駐車をするトラックの実態」と銘打ち、ハンドルに足を上げてふてぶてしくスマホをいじるドライバーの姿などが報じられる。
元トラックドライバーの筆者はその光景を見るたび、底知れぬ憤りを覚える。矛先は、路上駐車をするドライバーではない。こうした現状にいつまでも対応しない国や荷主、そして表面上の問題しか報じないメディアに対してだ。
遅れてはダメ、早く行ってもダメ
荷主の指定時間に遅れる「延着」がドライバーに許されないことは、誰もが想像できるだろう。が、彼らに「早着」も許されないことは、世間であまり知られていない。
荷主は運送業者に対し、とにかく細かい時間指定を行う。背景の1つに、メーカーを中心に浸透する「ジャスト・イン・タイム生産方式」(必要な部品や材料をその都度発注する方式)がある。在庫を極力抱えたくない荷主は、ドライバーの荷台を「倉庫」と捉え、「必要なとき」に「必要なモノ」を「必要なだけ」、搬出入させるのだ。
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