「物流業界は目を覚ませ!」福山通運社長が喝 2024年問題は「値下げ競争脱却」最大の好機だ

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10年以上前から物流業界の改革を訴え続けてきた、福山通運の小丸成洋社長に「2024年問題」の処方箋を聞いた。

福山通運の小丸成洋社長
福山通運の小丸成洋社長は、2024年問題について最も熱心に語る経営者の一人だ。「対応は利益を落としてでもやらねばならない。これは使命だ」(撮影:梅谷秀司)

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2024年4月、トラックドライバーに対し時間外労働の上限(年960時間)が適用されると、人手不足に拍車がかかって荷物が運べなくなる。物流業界が直面する「2024年問題」だ。10年以上にわたり、運賃底上げやドライバーの待遇改善を訴え続けてきた福山通運の小丸成洋社長を直撃した。  

――佐川急便、ヤマト運輸に続き、2023年2月に基本運賃の値上げ(特積み10%、個人向け1~2%)を公表しました。値上げを決めた背景は?

運賃値上げは以前から考えており、避けては通れない課題だった。われわれ特積み事業者(特別積み合わせ貨物運送。複数の荷主の荷物をまとめ、全国ネットワークで運ぶ)が扱う加工食品やアパレルなどの日用品は利幅が少ない商品も多く、荷主としても運賃の値上げが厳しい面もあった。

だが、現在のさまざまな商品の価格高騰が浸透すると短期的に荷量は低迷するかもしれないが、運賃を上げられる荷主も出てくるだろう。そこで新運賃を届け出た。2023年は運送会社の値上げラッシュになるのではないか。

値下げ体質は命取りになる

コロナ禍で法人向けの荷物が低迷したとき、運賃を下げて我々の仕事を奪いに来る会社もあった。以前なら当社も対抗して下げたが、今は一切下げていない。運賃を下げることが本当にいいのか。値下げ体質になってしまったら会社の存続にかかわる。

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