山間部や過疎地で日本郵政が「ドローン配送」の導入を急いでいる。人手不足や配送効率化が目的だが、実用化に残された課題とは。
草刈り機のような大きな音を響かせながら、ドローンは東京都・奥多摩郵便局の屋上を離陸した。垂直に数十メートル上昇した後、配送先に向け、山奥へと消えていった。
日本郵便は3月24日、産業用ドローンを手がけるACSL社の機体を使用し、奥多摩郵便局から山間部へ荷物の配送を行った。今回の配送は、人がいる上空で目視できない範囲で飛行させる「レベル4」と呼ばれる自動飛行で、日本初の事例だった。
日本郵便は郵便物の減少傾向が続き、人材確保も難しくなる中、郵便ネットワークを維持するためにドローンの活用を見据えている。奥多摩町では2019年から配送実験を行ってきた。今回、レベル4の飛行を成功させたことで、ドローン配送もようやく現実味を帯びてきた格好だ。
険しい山道で威力を発揮
スタッフによる入念なチェックを経て、郵便局から飛び立ったドローン。機体はACSLが手掛ける国産ドローンだ。航続距離は11.4キロメートル(参考値)で、最高速度は時速36キロメートル。最大1キログラムの荷物を運べる。非常時に墜落を防ぐパラシュートも備えている。
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