アマゾン、まだまだ減らしたい再配達に次の一手 マンション配達が変わるきっかけになるのか

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アマゾンジャパンは、オートロック付きマンションでも玄関前への「置き配」ができるようにする仕組みを拡充する(写真:アマゾン)

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ECの巨人、アマゾンが再配達の削減に本腰を入れる。アマゾンジャパンはこれまで「置き配」サービスを拡大してきたが、オートロック付きマンションでは置き配を指定しても、ドライバーが建物内に入れずに再配達になるケースがあった。
そこで、専用デバイスをマンションに設置し、ドライバーがオートロックを解除して配達できる取り組み(「Key for Business〈キーフォービジネス〉」)を本格化する。この3月にアマゾンジャパンは三井不動産レジデンシャルリースとの提携を発表した。
配達を統括するアマゾン・ロジスティクスの事業本部長、アヴァニシュ・ナライン・シング氏に再配達削減について今後の展開を聞いた。

新たな取り組みで再配達を80%削減

――これまで積極的に置き配を拡大してきました。現時点での成果は?

置き配は在宅、不在にかかわらず、顧客が指定した場所に配達する非対面の受け取り方法だ。玄関前やガスメーターボックス、自転車のカゴ、車庫、宅配ボックス、マンションの受付の 6カ所から選択できる。現在は75%の顧客が置き配を利用している。

2019年に岐阜県多治見市での「置き配指定サービス」の実証実験開始に当たり、記者会見が行われた。写真はアマゾン・ジャパンのジェフ・ハヤシダ氏(写真左)と多治見市の古川雅典市長(右)(編集部撮影)

日本は置き配で先行している地域の1つだ。2019年に岐阜県多治見市の実証実験から始まっている。この3年半、顧客からは便利な点が、ドライバーからも再配達が減るのでいいとフィードバックをいただいている。

ただし課題もあった。オートロック付きマンションでは、顧客が置き配を選択しても不在時にドライバーが建物に入れず、再配達しなければならなかった。

そこで、日本では2021年3月にキーフォービジネスを導入した。管理会社やビルのオーナーに許可をとり、専用デバイスを設置する。顧客が不在でもドライバーがオートロックを解除(配達時のみ)して配達し、再配達を減らせる。実際、導入済みのマンションでは再配達を80%以上も削減できている。

――残りの約20%はどういったケースですか?

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