荷物の重量や距離だけでなく、その内容や繫閑の差を反映した適正なトラック運賃を算出できないか。この難題にベンチャーがAIで挑んでいる。
「運送会社は荷主に対する交渉力がない。運賃を交渉するには、荷主側も納得できるような仕組みを作る必要がある」。物流業界の課題解決に特化した設立3年のベンチャー企業、ascend(アセンド)の日下(くさか)瑞貴社長はこう強調する。
同社が目下開発を進めるのは、荷物の発送・到着の地域、種類、配送時期などからAI(人工知能)が適正な運賃を算出する「ダイナミックプライシング(変動価格設定)エンジン」だ。
すでにホテル業界や航空業界では、繁閑の差によって客室や座席料金を変動させる「ダイナミックプライシング」が定着している。これを物流業界でも実現しようというものだ。
燃料費や人件費など運送会社のコストは上昇しているが、荷主に対してコスト上昇分の価格転嫁を進めるのは依然として難しい現実がある。AIによるサポートを得て、物流業界は「適正な運賃」を勝ち取れるのか。
相場を即座に把握、推奨価格を導き出す
アセンドは2020年、シンクタンクで物流業界のコンサルティングを担当していた日下社長が設立した会社だ。
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