ヤマト、宅急便「6年ぶり」の値上げでも続く苦境 業績下振れで「EC物流網」構築も待ったなしに
運ぶ荷物の数は増えているが、今期は2期連続で営業減益を見込む。コスト増に加え、ECに特化した物流網構築の先行投資が負担だ。
「賃金の上昇、原材料・エネルギー価格の上昇、(ドライバーに対する残業規制が適用される)2024年問題への対応もあり、運賃を適正化していきたい」。宅配最大手・ヤマト運輸の栗栖利蔵副社長は2月6日の決算会見でそう説明した。
同日、ヤマトは今年4月から、6年ぶりに宅急便などの基本運賃を引き上げると発表した。1月下旬には、佐川急便が今年4月から宅配便の運賃を平均で約8%値上げすると発表しており、これに続く形だ。
今回のヤマトの値上げ幅は約10%。関東から関西に荷物を送る場合、宅急便コンパクトの現行運賃は660円。これを710円に50円値上げ。60サイズは1040円から20円値上げして1060円とする。
「基本運賃」を年度ごとに見直す方針へ
今回の運賃値上げは、まずは個人が利用する宅配便に適用される。今後は取引の9割を占める法人顧客に対して個別に交渉し、値上げを浸透させる考えだ。また、あらゆるコストが急激に上昇しているため、年度ごとに基本運賃を見直す方針も明らかにした。同社として初の判断となる。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら