森友事件を想起、放送法「内部文書」公開で蠢く思惑 高市氏「真実なら議員辞職」は安倍氏発言を彷彿

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高市早苗・経済安保担当相
放送法をめぐる内部文書をめぐり、当時総務相だった高市早苗・経済安保担当相は「捏造」と否定(JMPA代表撮影)

論戦の激しさとは裏腹に日程消化は順調だった2023年度予算案の審議に、突然、新たな火種がうまれ、統一地方選を前に政局絡みの思惑が複雑に交錯する事態となっている。

安倍政権時代に政治問題化した、放送法の「政治的公平」の解釈変更をめぐる総務省の内部告発文書を立憲民主党の小西洋之参院議員が入手、当時の総務相だった高市早苗経済安保担当相との間で、互いの議員生命をかけた論戦を仕掛けたからだ。

小西氏は3月3日の参院予算委で「この文書には当時の安倍首相、高市早苗総務相、礒崎陽輔首相補佐官らのものとされる発言が記載されており、特定の番組名を挙げ問題視するやり取りもある」と追及。

これに対し高市氏は、文書の中にある安倍、高市両氏の電話会話の内容を記載した部分などを「まったくの捏造だ」と断言。小西氏が「仮に捏造でなければ、議員辞職するか」と迫ると、高市氏は「けっこうだ」と即答。予算委員会室に居並ぶ閣僚や与野党議員も、この激しいやり取りに興味津々で見守った。

小西氏は「超一級の内部文書」と力説

小西氏が入手した文書はA4で約80枚にわたるもので、同氏が2日の記者会見で、「総務省職員から提供された」として公表。その中には、礒崎氏が総務省に新解釈の追加を求める過程などが詳しく記載されており、小西氏は「超一級の内部文書」と力説した。

そもそも、安倍政権当時に政府が進めた「放送法の解釈変更」をめぐっては、野党だけでなくメディアも「大問題」と騒ぎ立てた経緯がある。しかも、小西氏は総務省キャリア官僚時代に放送法担当だった人物だけに「追及内容はかなり真実味がある」(共産党幹部)との見方も少なくない。

次ページ最大の焦点は「文書の真贋」
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