森友事件を想起、放送法「内部文書」公開で蠢く思惑 高市氏「真実なら議員辞職」は安倍氏発言を彷彿
そもそも、安倍政権と放送局との関係をめぐっては、2014年12月のいわゆる「アベノミクス解散」の際に、安倍氏が出演したTBS系の情報番組で流された街頭インタビューがアベノミクス批判ばかりだったことに安倍氏が激高し、大騒動となった。
これを受け、自民党がその後にNHKや在京民放テレビ5局に、選挙報道の公平中立を求める文書を送付した経緯がある。小西氏が入手・公表した文書も、その直後の11月28日の日付が入った官邸側と総務省側のやり取りから始まっている。
森友問題での安倍氏を想起させる高市氏の発言
「真実なら議員辞職」という高市氏の言動は、森友問題での安倍氏の「私や妻が関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」との発言を想起させる。だからこそ、自民党内では「真贋論争はなかなか決着がつかない。下手をすると安倍さんのように迷路に入りかねない」(自民国対)との声も広がる。
高市氏は地元奈良県知事選での自民分裂で、県連会長として窮地に立たされている(『奈良県知事選で大ピンチ、高市氏に吹く逆風の正体』参照)。さらに、政治資金収支報告書の記載を巡っても一部団体から政治資金規正法違反で告発されている。
このため、今回の騒動の結末次第では「高市氏が初の女性首相候補から追放される可能性もある」(自民長老)だけに、当分の間、国会での真贋論争が政局絡みで注目され続けることになりそうだ。
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