森友事件を想起、放送法「内部文書」公開で蠢く思惑 高市氏「真実なら議員辞職」は安倍氏発言を彷彿

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当然、立憲民主は6日の参院予算委集中審議でも高市経済安保担当相や松本総務相を攻めたてた。これに対し松本総務相も解釈変更について「当時、補佐官(磯崎氏)から問い合わせを受け、これを契機として解釈の補充的な説明が示された」と認めざるをえなかった。

この集中審議を踏まえ、松本総務相は7日午前の閣議後記者会見で「総務省に保存されている文書と同一で、すべて総務省の行政文書だと確認できた」と言明。ただ、文書の内容については「正確性が確認できない部分があり、引き続き精査を進める」と述べた。これを踏まえ総務省は7日午後、文書を公表した。

これに関連して、安住淳立憲民主国対委員長は同日午前、捏造と主張する高市氏について「(文書の存在が)事実だとわかった以上、責任を取るべきだ」と指弾し、今後も追及を強める考えを示した。

立憲民主は「内閣総辞職にもつながる重大問題」(幹部)として、当時の総務省担当者だった現幹部の証人喚問も要求するなど、攻勢を強める構え。ただ立憲民主内部にも「『安倍・高市電話会談』などの記述内容は想像の域を出ず、その部分の証明は不可能」(若手)との声も少なくない。

加えて、2023年度予算案での主要テーマとなる防衛増税や少子化対策での追及を棚上げして、真贋論争ばかりに血道を上げれば「国民の反発や批判が、ブーメランのように立憲民主を襲う」(同)との不安もにじむ。

自民内の“高市つぶし”の一環との見方も

その一方で、自民党内では、今回の騒動と政府側の及び腰の対応について「岸田首相や自民執行部による、巧妙な“高市つぶし”の一環では」(自民国対)とのうがった見方も広がる。

高市氏は、文書にある自身のものとされるほかの発言についても「悪意を持って捏造されたもの」などと否定。総務省官僚有志の“高市攻撃”についても「受信料引き下げなどでNHKに対して厳しい姿勢をとっていた私の態度が気にくわなかったんだろう」などと口を尖らす。

これに対し、松野博一官房長官は3日の会見で「放送法の解釈やその経緯などに関しては、所管する総務省において説明すると聞いている」と他人事のように発言。与党幹部の石井啓一公明党幹事長も「政府に丁寧に説明していただきたい」と述べただけだ。

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