また、ジャーナリスト・安田純平が内戦状態のシリアに潜入し、現地の武装勢力に3年4カ月拘束されたのち2018年10月に解放された事件に際して、安田氏に対する「自己責任」論からの批判が渦巻く中、ダルビッシュはこう反論した。
野球界に話を戻すと、侍ジャパンの若手選手にダルビッシュからいちばん伝えてほしいのは、ずばり「練習観」だ。
知的で合理的で、つまりは昭和野球のマッチョな練習観と対極をなす練習観。以下の2つの言葉を、すべての高校野球部の部室に貼りたいと心から思う。
片や、張本勲は「今も素質のある選手は大勢いるけど、練習量が圧倒的に足りない。ダルビッシュはたいしたものだが、稲尾さんや金田さんに比べたらどうだ?」(Number/2011年6月23日号)と言う。
しかし、ダルビッシュの知的で合理的な練習観を見るにつけ私は、稲尾和久と同時期に同じチームで戦いながら、『週刊ベースボール』の連載(2011年9月5日号)にこう記した豊田泰光のほうを信頼したくなる――「日本のプロ野球の歴史が生んだ最高の結晶のひと粒、ダルビッシュ」。
ダルビッシュの言葉は「魔球」
以上見てきたように、ダルビッシュの言葉はキレもクセもある、いわば魔球だ。そんな魔球に魅了された侍ジャパンの選手たちが自分の言葉を持ち、それがまた、自チームの周囲の選手たちに広がっていくことを期待したいのだ。
ダルビッシュのような言葉を、多くのプロ野球選手が持ち始めたとき、日本の野球界は変わる。大きく変わる――。
最後に、ダルビッシュが札幌ドームでメジャー移籍会見をした翌日(2012年1月25日)に自らのブログに記した言葉。彼の言葉の本質は、優しさだ。
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