主に高校野球のトーナメント制に端を発して、目の前の試合を「絶対に負けられない戦い」と捉えてしまう窮屈な野球観、スポーツ観に対して、ダルビッシュはNOを突き付ける。
「絶対に負けられない」などと観る側が盛り上がるのは勝手だが、その結果として、プレーする側の選手が妙なプレッシャーを感じてほしくないと思う。その意味で、キャプテン的立場のダルビッシュによるこの発言は、たいへん有意義だったと思うのだ。
ダルビッシュの剛速球ツイートの数々
また、高校球界に対して、ダルビッシュはかねて警鐘を鳴らし続けている。記憶に新しいのはTBS『サンデーモーニング』における張本勲のコメントへの反論だ。
2019年夏の高校野球岩手大会の決勝で、花巻東と対戦した大船渡が、エース佐々木朗希(現マリーンズ)を起用せずに敗れたとき、張本勲が同番組で「最近のスポーツ界で私はこれが一番残念だと思いましたよ」と発言したことについて(以下、ツイッターの引用は改行削除)。
このダルビッシュの意見に対して、サッカーの長友佑都も加勢する。
実はこれらツイートの前日から、ダルビッシュは高校球界に対しての剛速球ツイートを投げ込んでいた。これらの意見に対する賛否はあるかもしれないが、それ以前に、これら剛速球の明快さ、すがすがしさに驚くのだ。
加えて、ダルビッシュの視線は野球界以外にも向けられる。注目すべきは、現代日本を覆う同調圧力や忖度に対する抵抗感だ。「黒人差別問題に抗議するため、女子テニスの大坂なおみ選手が大会を一時辞退して、アスリートとして発信したことについて」という質問に対しての回答。
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