インフレをイマイチわかってない人に贈る「冗句」 お金と向き合っていくためのスタートラインに

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いうまでもなく、インフレは現在の世界経済における大きな懸念材料である。コロナ禍に伴う世界各国の大規模な財政政策と金融緩和、そしてロシアによるウクライナ侵攻のために、世界的な“悪性インフレ圧力”が大きく広がっているわけだ。給料の増加と連動した好循環のインフレならともかく、物価が急激に高騰する悪性インフレはたちが悪い。

ちなみに著者がかつて住んでいたルーマニアはインフレがひどく、2002年ごろのおおよそのレートは1ドル=3万3000レイだったそうだ。つまり1枚の100ドル紙幣を両替した場合、330万レイという札束が戻ってきたというわけだ。

「得をしたわけでもないのに、気分だけは大金持ちの心境になったものである」という著者の気持ちはよくわかる。

<そんなルーマニア生活の当初、首都のブカレストにいる物乞いのセリフは、
「500レイください」
だった。しかし、それが2年後には、
「1000レイください」
になっていた。物乞いの求める額までインフレを起こしていたのである。(85ページより)>

よくできたジョークのようにも思える話だが、こちらは現実のエピソードである。

「冬眠」した男の驚き

冷凍保存
<不治の病を宣告された男が、自分の肉体を冷凍保存することにした。将来、特効薬が開発される日まで「冬眠」しようというわけである。
数年後、男は目覚めた。医者が言うには特効薬が完成したという話だった。男は早速、その薬を飲んだ。男の病状は劇的に回復した。
すっかり元気になった男は、お見舞いにきた友人に聞いた。
「で、世の中はどうなっている? 景気はどうだ?」
「かなり過熱気味だね。バブルと言っても良いかもしれない」
「そうなのか? 俺の持っていたロサンゼルス電気の株はどうなったかな?」
「今は一株60ドルくらいじゃないかな」
「なんだって? 俺が買った時は15ドルだったのに。じゃあ、サンフランシスコ銀行は?」
「約100ドルってところだろう」
「本当かい? 俺は20ドルで買ったんだ。それじゃあ、ニューヨーク鉄道は?」
「ざっと200ドルじゃないかな」
「信じられない! 俺が買った時はたったの30ドルだぜ? いや、これは本当にうまくいったな」
男は喜んでこう続けた。
「では祝杯をあげよう。病院の前にあるレストランでビールでも飲もうじゃないか」
病院を出てレストランに入った2人は早速、ビールを注文した。ウェイターが言った。
「1杯、5万ドルになります」
(87〜88ページより)>
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