大打撃の外食「客が戻る・戻らない」店の決定的差 病み上がりの外食産業を襲う食品の価格高騰
12月の消費者物価指数は前年比で+4%となって、長い間デフレが続いていた国内の物価は上昇に転じており、特に海外からの輸入に依存するエネルギー、食料の高騰が著しくなっていることは、ご存じのとおりである。
食を提供する外食産業にとっても、原材料である食品価格や、光熱費の高騰は大きな影響があり、価格転嫁を進めていかねばならないという苦しい局面となっている。ただ、それ以上に外食産業にとって懸念されているのは、今回の価格高騰が海外由来のものであり、賃上げには直結するものではないということだろう。
賃金上昇が進まない中、食品、光熱費といった必需支出が増加すれば、コロナのときにも聞いた「不要不急」の支出とされる外食が抑制される可能性が高い。こうした需要環境での原材料やコスト上昇の価格転嫁の難度も高くなる。
客数が減少している企業が続々
前段で業績をピックアップした上場外食のうち、既存店売上動向(売り上げ、客数、客単価)を公表している企業(37社)の2022年10~12月の対前年比の客数の動きを表に並べてみた。1月は前年にコロナ感染者拡大による落ち込みの反動影響があるため比較から外している。
客数が減少している企業の数は、10月8社⇒11月17社⇒12月19社と増加しており、外食チェーンの客数が減る傾向にあることがわかる。これらの要因は明確には把握されてはいないのだが、客数が減った企業のほとんどで、客単価が上昇している(≒価格改定実施)ということがわかっており、値上げによって来店が抑制されたと解釈するのが妥当であろう。財布の紐を締めねばならない消費者としては、値上げに敏感に反応して、行く回数を減らした、ということをデータは示している。
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