10秒でわかる「話が下手な人・上手い人」決定差 10秒、30秒、1分でどれくらい話せますか?

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いいことをしたのにちょっと切ない結末に……それはさておき、3行でまとめるとなると、全体から、無駄を削ぎ落し、ポイントを絞ることが必要になります。実は、これが簡潔に説明するときのプロセスになります。

当スクールでは、「とりあえず3行で書く」トレーニングをよく実施します。最初は難しいことは考えず、とりあえず、



このように、点を3つ打ちます。それから、説明したいこと、報告したいこと、プレゼンしたいことを3行で書いていきます。3行あれば、大抵のことはまとめられます。2行だとちょっと説明が足りないような。……4行だとまとめるのが面倒……ということもあり、3行がちょうといい塩梅です。

提案もお願いも3行でできる

慣れてくれば、「・」に加えて、

・総論:
・結論:
・各論:

と書きます。その後に、それぞれの内容を書いていきます。

何か提案したいときは、

・総論:今週の食事会についてです
・結論:海鮮料理にしたいと思います
・各論:産地直送で鮮度に拘ったお店を発見しました

こんな感じで、大きい塊から小さい塊へ、3行で書きます。

誰かに何かをお願いしたいときも3行で書きます。

・総論:来週の朝礼でお願いしたいことがあります
・結論:田中さんに1分スピーチをお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?
・各論:田中さんはよく勉強されているので、ぜひシェアしていただきたいです

といった感じです。

田中さんも、また3行でスピーチを考えます。

・総論:人生を変えるモーニングルーティンについてお話しします
・結論:起床後の時間が充実していると、その日はずっと高い集中力をキープすることができます
・各論:オススメは朝日を浴びることと、10分のウォーキングです
のように。

話す前に、ほんの少し時間をとって3行でまとめます。すると光が差したかのごとく、話したいことが明確になります。3行でまとめるときのポイントは2つです。1つめは、とりあえず、「・」を3つ書くところからスタートすること。あまり深く考えず、とにかく3行でまとめてみる。

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2つめは、1分程度で書いてみること。あまり時間をかけないこと。時間をかけすぎると長続きしません。野球でも素振りが必要です。バットを振らないと、打席に立っても打てません。

振って振って振りまくる。これが3行メソッドです。説明したい、報告したい、プレゼンしたいとき、少し時間をとって、3行書いてみてください。書くという行為が、簡潔に話す脳を抜群に鍛えてくれます。

桐生 稔 伝わる話し方の専門家

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きりゅう みのる / Minoru Kiryu

モチベーション&コミュニケーション代表取締役、日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー、日本声診断協会音声心理士。2002年、大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3ヵ月にして左遷される。そこから一念発起し、全国売上達成率No.1を実現。その後、音楽スクールに転職後、事業部長を務め、2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、モチベーション&コミュニケーション設立。これまで全国40都道府県で年間2000回にわたり「伝わる話し方」のセミナーや研修を開催してきた。テレビ朝日とABEMAが共同製作する『マッドマックスTV論破王』ではディベートの審査員も務めている。
 

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