日本人初「ゴールデンブザーの男」その後の生き様 今は過去に数名命を落とした危険な挑戦を続行中

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(写真:OCEANS編集部)

とはいえ、すぐに海外に行くことはできず、父親が経営する前橋市の会社で働いていたという岩崎さん。ようやく家を出たときには28歳になっていた。

「すぐ海外に行きたかったんですけど、なかなか実現できなくて。まずは経験を積もうと、国内47都道府県をヒッチハイクで回ることにしたんです。『進め!電波少年』で猿岩石さんがユーラシア大陸をヒッチハイクで横断しているのを見て、このスタイルなら僕もできるかもって」。

旅のスタートは沖縄から。3カ月をかけて北上し、最終地点の北海道まで47都道府県をヒッチハイクで制覇した。

途中、京都で知り合った人から韓国行きのフェリーチケットを譲り受けたのを機に、世界を巡る岩崎さんの旅が本格的にスタート。2002年3月、所持金3万円で韓国・釜山に向かった。

世間体を捨てた40歳

インド(2005年)(写真:OCEANS編集部)

「当初は30歳までに帰国しようって思ってたんです。2、3年もあれば世界を見て回れるだろうって。でも、全然時間が足りませんでした。行ったことのない国がまだ多くて。だから35歳まで期限を延長したんです。

でも、35歳になってもまだ足りなかった(笑)。今度は40歳前までに戻ればいいだろうって、そうやってどんどん延びていきました」。

無論、40歳になっても岩崎さんが日本に戻ることはなかった。

「僕にも世間体はあったんです。葛藤もありました。社会に戻るなら年齢を考えたほうがいいなって。でも、40歳になってもう吹っ切れましたね。逆に行けるところまで行かないとって。それに、少しくらい変わったやつが人類には必要かなっていう勝手な解釈もあります(笑)」。

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