「プロ野球の球場広告」意外と知らない驚く進化 地味に凄い!ZOZOマリンスタジアムのフル活用ぶり

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外野守備位置を活用しているのもZOZOマリン含め2球場しかない。早くから活用していたのはPayPayドーム、楽天モバイルパーク宮城、ほっともっとフィールド神戸で、いずれもスポンサードしていたセブン-イレブンのマークが描かれていたが、現在も掲出しているのは楽天モバイルパーク宮城だけとなっている。

ベンチ前スペースは、明治神宮野球場、バンテリンドーム ナゴヤ、阪神甲子園球場、Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島の4球場以外の9球場では活用しており、比較的活用が進んでいる。だが、昨シーズン、外野守備位置、ベンチ前、マウンド裏をすべて活用していたのはZOZOマリンと楽天モバイルパーク宮城だけだ。

地味にスゴいプリズマビジョン

外野スタンドのフェンス沿いの看板スペースにも仕掛けが施されている。バックスクリーン両隣の新日本建設の看板は固定で、レフトスタンドのサイドスクリーンの右隣から新日本建設の左隣までの4枚と、ライトスタンドのサイドスクリーンの左隣から新日本建設の右隣までの4枚の看板は一見固定看板のようだが、実はLEDビジョンではないのにイニングごとに絵柄が変わる。

ライトスタンドのプラズマビジョン。上は表回、下は裏回(写真:筆者撮影)

スウェーデンのプリズマフレックス社が考案したビジョンで、三角の柱を横に並べた構造になっていて、面をくるりと回転させると1つのスペースで3枚分の広告を掲出することができる。三角柱(=プリズム)だから商品名も「プリズマビジョン」だ。

ここでは8枚とも2面だけ使用しており、「3面めは無地にしており、この球場を外部に貸し出す際に使用している」(球団広報)という。

ライトスタンド側の1番右側の1枚はアース製薬が表回、くすりの福太郎が裏回を使っているが、それ以外の7枚は同じ会社が使い、表回と裏回で異なる絵柄を掲出している。注意して見ていると、イニング間で柱がくるりと回って面を変える瞬間は、本塁側からだと波が看板を洗って色を塗り替えていくように見える。

ZOZOマリンスタジアムのプリズマビジョン(動画:筆者撮影)

プリズマビジョンはサイドスクリーンの内野側の隣にも小さいサイズのものが使用されていて、いずれもスポンサードしているのはロッテ。レフト側は「爽」、ライト側は「雪見だいふく」の広告が掲出されているが、こちらは1面しか使っておらず、イニング間で動かすということはしていない。

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