タイムズハイアーエデュケーション(THE)による最近のランキングで、コンピュータサイエンス分野で世界の上位100校に入る大学数は、つぎのとおりだ。
日本は3校(東大38位、京大71位、東工大88位)しかない。
これに対して、アメリカは35校だ。
イギリスは9校(うち、オックスフォード大学は、世界1位)。
シンガポール2校(うち、シンガポール国立大学は世界8位)。人口比でみれば、日本よりはるかに多い。
日本は極めて見劣りがする。他の大学ランキングでみても、同様だ。
教育面で劣っているにもかかわらず、日本はこれまで外国人専門家を積極的に呼ぼうとしていなかったのだ。
経済停滞の悪循環を断ち切れるか?
以上で見たように、デジタル人材の育成と活用の面で、日本は大きなハンディキャップを負っている。高度の教育を行っていないし、専門家に十分な給与を支払っていない。
日本のデジタル面での遅れは、これらの条件が引き起こしたものだ。そのために、日本の企業の生産性が低く、経済全体の産業構造の改革が進まない。そのために、賃金や経済成長が低いという悪循環に陥っている。
以上を考えると、ビザの条件を緩和しても、果たして高度人材が日本に来てくれるかどうか、はなはだ心もとない。
外国の有名大学を卒業していたり、修士号以上の学位を持ち年収2000万円以上を得られたりする外国人で、わざわざ日本で仕事をしようと考えるのは、特殊な事情がある人に限られるのではないだろうか?
だから、ビザ条件の緩和だけでデジタル人材が獲得できるとは、とても考えられない。
しかし、これまでの日本は、悪条件を抱えているにもかかわらず、外国人の専門家を惹きつけるための積極的な努力を行ってこなかった。
ビザ条件の緩和は、この方向が転換しつつあることを意味するものだ。それ自体が、重要な変化だ。
どのような成果を上げられるかを見守ることとしたい。
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