費用の準備は貯蓄でコツコツ貯めていくのもいいですが、超低金利なので、インフレが続いた場合、お金の価値が目減りする可能性が高くなります。仮に、定期預金を10年間預けた場合の平均金利は、0.002%(※)ですから、インフレ率1%で物価が上がっていったとしたら、物価上昇分を補えずに持っているお金の価値が目減りしてしまいます。
15年、20年先に必要度があがる介護費用は、積立投資で運用しておくことがお勧めです。
※:日本銀行金融機構局「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について 2022年3月30日」
そこで提案したいのが、個人投資家のための税制優遇制度であるNISA(少額投資非課税制度)。特に、少額から行う長期・積立・分散の投資に対し、税制優遇が受けられる「つみたてNISA」がおススメです。つみたてNISAは、18歳以上であれば利用可能で、投資可能期間は20年。年間投資額は40万円までで、いつでも売却することができます。運用商品は、金融庁が定めた基準をクリアしたリスクが低い投資信託(一部ETF)が対象です。
税制優遇は、保有している間に得た利益(分配金)と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)にかかる約2割の課税が非課税になること。投資可能期間はありますが、いつでも売却が可能なので、途中で家計が苦しくなったり、大きな教育資金が必要になったりすれば引き出し可能です。
50代からは新NISAをどんなふうに活用すべき?
しかも、NISA制度は、2024年から改正され、ますます便利になります。
改正点の一つ目は、現行では、制限のあった「運用期間」と「非課税期間」が無期限になること。よって、年齢が高くなってしまったから始めるのは遅すぎるということがなくなります。60歳から始めても、介護費が必要なタイミングは80歳くらいですから、長期間の運用でリスクを減らすことができ、利益が出る可能性が期待できます。
二つ目は年間投資上限額の拡大です。つみたてNISAは、「つみたて投資枠」と名前を変えて現在の3倍の年間120万円、生涯の投資上限額は1800万円に引き上げられました。つまり、その分非課税になる金額も増えるので投資額をあげていくほど、さらにおトクになります。
もし、現行の年間投資額に物足りなさを感じている人は、非課税メリットをより活かせるチャンスになります。そして定年後も、現役時代ほどの給与ではなくて積立額を増やすことが難しくても、それまでの貯蓄や退職金から毎月少しずつ、つみたてNISAに移し替えていけばいいのです。
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