定年後「15年」のお金の使い方で幸福度が決まる訳 元気でいられる60代は人生の「黄金期」になる

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人生の「黄金期」に楽しむための「前厚マネープラン」を紹介します(写真:nonpii/PIXTA)
人生100年時代に物価高が重なり、年金だけでは将来の生活費が賄えないかも……と、老後のお金の不安は募るばかり。しかし、長い老後をなんとか乗り切るためにと、つつましく暮らす努力をしたり、慣れない投資にチャレンジしたりすることだけが、正解なのでしょうか。生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんが、親の介護を終えたご自身の経験から、定年後のセカンドライフの幸福度を上げるマネー戦略を提案します。
定年後のお金、なんとかなる超入門 インフレ時代のセカンドライフ』から一部抜粋・再構成してお届けします。

60歳からの自分中心の人生は「前厚」で

寿命というのは誰にもわかりませんが、平均的な90歳の生存割合は、男性で27.5%、女性で52%です(厚生労働省「2021年簡易生命表」より)。

仮に90歳まで生きるとすると、定年後は30年間あります。しかもこの30年間を元気で過ごせるかというと、実際には健康寿命(※)の平均は、男性72.68歳で、女性は75.38歳。健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間のことを健康寿命といいますから、長寿の女性であっても、誰の手も借りずに自分1人でやりたいことをやれる期間は、意外と短いということがわかりますね。元気に動ける体じゃないなら、遠くへ出かけていくことや、おいしく食事を楽しむことが難しくなります。

(※厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」による)

私自身も親の介護経験や、周りの友人などの話をきいて、「自分が自由に動ける時間は意外と短い」ということを強く思うようになりました。その思いをきっかけに、老後の30年を前半と後半に分けて、60~75歳までの15年間を、より充実したものにするライフプランニングを考えるようになりました。それは、老後資金を「前半に」「厚く」見積もる、「前厚マネープラン」です。

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