超インフレ時代を生き抜く「資産形成」3ステップ アメリカの高校生が学校で学んでいる「投資術」

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まとめると、たとえば現在世界中で起こっている極端なインフレは、消費者にとっても、投資家にとっても、さらには経済全体にとっても悪いものだ。インフレ率が上がりすぎると、あなたが持っている円やドルの価値が下がることになる。かつては10ドルで買えていたものが、インフレによって20ドルに値上がりするのは、10ドルの価値が半分になってしまうのと同じことだ。インフレで物価が上がると、生活費も上がる。その結果、投資に回せるお金も減ってしまうだろう。

インフレを抑制するのは中央銀行の仕事であり、たいていは金利を上げるという手段が選ばれる。私たち投資家は、中央銀行の対策に影響を与えることはできないが、自分を守ることならできる。そのときに大切なのはやはり、長期の視点で投資を継続することだ。

会社には、インフレから会社と利益を守る方法がある。それは一般的に、コストカットと値上げだ。消費者である私たちにとっては、コストカットはサービスの質の低下につながるかもしれないし、値上げも困る。しかし、投資家として考えるなら、これはむしろチャンスだ。コストカットや値上げによって会社の利益が上がれば、株価も上がるかもしれない。

長期的にインフレに勝つもっとも確実な方法は、インフレ率よりも高い投資利回りを稼ぐことだ。そして歴史をふり返れば、株式市場の利回りはたいていインフレ率を上回ってきたことがわかる。つまり、長期の視点で運用に取り組み、しょっちゅう株を売ったり買ったりしなければ、高インフレの短期的な影響は避けられるということだ。

投資計画を立てよう

何かを達成したいなら、しっかりした計画を立てることが大切だ。当たり前のことではあるけれど、私たちは計画を先延ばしにしてしまいがちだ。計画がなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれない。そして状況が悪くなったときは、打撃をもろに受けてしまう。投資をするなら、事前にきちんと計画を立てること。計画があれば、人生で予期しないことが起こったり、景気が悪くなったりしても、慌てずに対処することができる。

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ここからは、基本的な投資計画の立て方を学んでいこう。経済の好不調に関係なく、いつでも頼りにできるような計画だ。

投資で成功したいなら、事前に計画を立て、さらに何があってもその計画を守らなければならない。計画があれば、景気がどんな状態でもパニックを起こさず、一文無しになってしまうような事態を避けることができる。

ここで大切なことは、計画を守り通す意志の強さだ。たとえ本能は「計画なんか捨ててしまえ」と告げていても、その声に惑わされてはいけない。株式市場は、毎日のように上がったり下がったりをくり返す。それでもあなたは計画を守り、その場の雰囲気で売買したくなる誘惑に勝たなければならない。

計画を紙に書き、計画を守り、計画通りにきちんと行動する。ここで先延ばしは厳禁だ。それができないなら、投資で成功するのも不可能だ。

ティモシー・オルセン

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金融の専門知識が豊富な個人投資家。わずか13歳のときに『13歳からの投資のすすめ』(東洋経済新報社)を出版し、現在の年齢は30代前半になる。同書は、ティーンエイジャーがティーンエイジャーに向けた書いた投資ガイドという点で画期的な一冊だった。本の出版以来、長年にわたってティーンを対象にした金融・投資教育の重要性を訴えてきた。ルイジアナ州立大学でファイナンスの学士号、ロヨラ大学ニューオーリンズ校で修士号をそれぞれ取得。多数の高校や会議で金融と投資に関する講演を行い、CNBCやブルームバーグをはじめとする金融情報のテレビ番組にもゲスト出演の経験がある。

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