超インフレ時代を生き抜く「資産形成」3ステップ アメリカの高校生が学校で学んでいる「投資術」

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銀行や証券会社が、若い人のためにわざわざこのような特典を用意しているのは、資産形成をなるべく早く始めてもらいたいからだ。早く資産形成を始めれば、本人にとって有利になるのはもちろんのこと、金融機関も長年にわたる忠実な顧客を確保することができる。

投資のための資金を貯める

証券口座を開いたら、次は投資のための資金を貯める。そのとき、ただ普通預金の口座で貯めるよりも、マネー・マーケット・ファンド(MMF)など、少しでも金利の高い手段を活用するのがおすすめだ。MMFは投資信託の一種で、コマーシャルペーパー(CP)やアメリカ国債など、流動性が高くて安全な資産で構成されている。連邦政府による預金保護の対象にはなっていないが、投資対象の国債に政府の保証があったり、あるいは投資会社が独自にMMFに保険をかけていたりするので安全性は高い。

なお、コマーシャルペーパー(CP)とは、企業が短期の資金調達のために発行する無担保の手形のこと。CPを発行できるのはある程度の信用がある企業だけであり、返済までの期日も短いので(たいてい1カ月から2カ月)、流動性が高く安全な資産とされている。

ただしMMFは、銀行口座と違って預けたお金が保護されないので、MMFを扱う投資会社が破綻したら、そこの口座に預けたお金はおそらくすべて失うことになるだろう(ちなみに、こうなることはめったにない)。MMFは流動性が高く(必要になったらすぐにお金が引き出せるということ)、金利も普通預金より高いことが多いので、当面は投資に回さないお金があるならとりあえずMMFに預けておくのがおすすめだ。

証券口座を開くことが大切な理由は、それが投資を始める正式な第一歩になるからだ。意外に思うかもしれないが、若い投資家から話を聞くと、投資でいちばん難しいのは、個別株を選ぶことでも、投資信託を買うことでも、投資のための資金を貯めることでもなく、「証券口座を開いて、そこに資金を移す方法を理解すること」だという。

初心者のための資産形成プラン:ステップ3

最終段階のステップ3では、貯めたお金に働いてもらいながら、働くお金をさらに増やしていく。これはどんな種類の投資を選ぶにしても大切なことだ。

若いうちから貯金と投資を始め、そのよい習慣をずっと続けていれば、数十年後にはびっくりするほどの大金になっている。たとえば仮に、100ドルの資金を元手に投資を始め、それから毎月10ドルずつ積み立てていくとすると、平均の年利が4%なら、20年後には3890ドルになっている。ちなみに株式市場の長期的な平均利回りは年に7%なので、4%は控えめな数字だ。元本は2500ドルといことを考えると、これは悪くないリターンだ。

次ページ元手を増やすほど、リターンも大きくなる
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