ドイツ連邦航空局、副操縦士の病歴「一切把握せず」 欧州航空安全機関が定期監査で指摘
[ベルリン 5日 ロイター] - 独ジャーマンウイングス機の墜落事故で、同国の航空規制当局は5日、故意に機体を下降させたとされるアンドレアス・ルビッツ副操縦士の病歴は一切把握していなかったとロイターに明かした。乗務員の健康管理問題に対する疑問が一段と高まりそうだ。
同副操縦士は、ジャーマンウイングスの親会社ルフトハンザ<LHAG.DE>の航空学校に在籍していた2009年、数カ月にわたり訓練を中断。訓練を再開した際には「過去に深刻なうつ病の症状」を患ったことを示す医療記録を学校側に提出していた。ルフトハンザ側は、訓練再開前には、すべての医療検査と適正検査に合格していたと強調している。
一方、医師による証明書を基にパイロット免許を発行するドイツ連邦航空局(LBA)は、副操縦士のうつ病歴に関する情報について、墜落事故前には「一切受け取っていなかった」としている。
欧州の航空規制では、パイロットの精神状態に言及するよう医師に求めているが、過去の病歴についてどう扱うべきかは明記されていない。
ルフトハンザは5日に発表した声明で、「当社はLBAへの情報提供の義務は果たしている」と説明。副操縦士の件については、捜査が進行中であることを理由に、それ以上のコメントは差し控えた。
欧州委員会は4日、LBAに対する定期監査で欧州航空安全機関(EASA)が「問題」を確認していたと指摘。監査の時期は明らかにされていないが、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、欧州当局は昨年11月、LBAに「長年の問題を解決する」よう要請していた。欧州当局は職員不足を指摘したといい、それが事実であれば、乗務員の健康状態などの検査を行う人手が十分ではなかった可能性がある。
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