弁当の廃棄ロスを招く、コンビニ会計のからくり 粗利の5割がロイヤルティーとして本部の懐へ
コンビニ業界はフランチャイズビジネスを基軸としている。各社は新たな取り組みの実験などのために直営店も持つがその比率は一般に2%程度と低い。
コンビニのフランチャイズ店では、売上高から原価を差し引いた粗利益の一定割合をロイヤルティーとしてオーナーが本部に支払う。ロイヤルティー比率はチェーンによるが、大手3社では基本的に45〜56%となっている。この比率はあくまでも基本数字で、粗利益の額が増えるほど累進課税のようにロイヤルティー比率は上昇する。
一方で複数店舗の経営や一定の粗利益額、経営開始からの経過年数などさまざまな条件を満たすと、ロイヤルティー比率が下がる。
「コンビニ会計」問題とは
コンビニに特徴的なのが廃棄した商品の仕入れ値を原価に含まない点だ。廃棄した商品の仕入れ値はいったん原価から除き、ロイヤルティーを計算した後に再び計上する。
廃棄分はオーナーが全額負担する形になっている。これが通称「コンビニ会計」で、廃棄が増えても本部の利益は変化しないため、本部が加盟店に商品の大量発注を求める原因とされてきた。社会的にも批判が高まったことで現在は廃棄した商品の原価の一部を負担する本部が多い。ただ、その比率は50%には程遠く、完全に解決したとはいえない。
オーナーはロイヤルティーを支払った残りから人件費や水道光熱費などを支払う。オーナーが負担する費用は多岐にわたり、清掃費用や壊れた設備の修繕費、箸や袋などの容器包装費、通信費も負担している。売り上げが少なく利益が出にくい店舗では人件費を減らすしかない。そのためオーナーの長時間労働が常態化しやすい。ただし、現在高騰が続いている水道光熱費は本部が50〜90%負担しているため、オーナーの利益への影響は比較的抑えられている。
一方の本部は商品開発費や各店舗を回って経営上のアドバイスなどを行う営業指導員の人件費、広告費をロイヤルティー収入の中から支払う。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら