0円物件を250万円で売った「別荘わらしべ」の実話 空き家率は過去最高を記録、「空き別荘」も増加

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趣味的に楽しみながら、お金の持ち出しを抑えて別荘を入手できることは非常に魅力的だが……。

「空き家の増加に伴って紹介サイトなども増え、そういったところでは“セカンドハウス”だの“田舎暮し”だの、”“DIY”、“リノベーション”だったり一見楽しそうで魅力的な言葉で喧伝されています。

しかし、そんな華やかなものではありません。たとえば初めのころは、ストーブなどの暖房器具が何台必要なのかわからなかったので、凍えそうになりながら夜を過ごしました。ゴミ出しも何往復したかわかりません。ホコリもすごかったですし、虫も……。出費以上に重要なのは、そういったことも含めて“楽しめるのか”だと思います。自分は直す工程の単純作業なども好きですが、“豊かな自然の中で週末を過ごしたい”くらいに思っている人にはできないと思います。もちろん、多額の費用をかけられるなら問題はないのですが」

“理由なき別荘”はいずれ空き家になる

別荘地は当然ながら地方である。あえて悪い表現をすれば田舎だ。 

「別荘を所有するうえで大事なのは、“本当に行くのか?”ということです。まずメインの住居からどの程度の距離なのか。数時間かかるようなところに自分は頻繁に行くのか。新幹線である程度近くても、別荘地では車がなければ身動きが取れません。シーズンに1回利用する程度では、建物はどんどん傷んでいくでしょう。

また、別荘に行って“することはあるのか”。これも年1回程度であれば“何もしない”ことが癒やしになるかもしれませんが、それは本当のお金持ちの使い方でしょう。年1回のために数十万円ほどの維持費をかけるわけですから。

自然の中で焚き火をしたり、食事をすることが好きだったり、海沿いの別荘であればマリンスポーツが好きだったり、“理由”のない人は別荘を所有しても絶対に行かなくなります。断言しますが、“この格安物件、海沿いでテラスもあって、ここで過ごすの気持ち良さそう”くらいに思っている人はいずれ飽きて行かなくなりますし、そもそも過ごせるほどに直すことにも飽きるでしょう。暑すぎたり寒すぎたり、別荘地は環境として通年気持ちいい場所ではありませんし。

格安物件は“使われなくなった”から格安なわけです。それを購入して使わないのであれば本末転倒で、結果また同じ“空き物件”となってしまうと思います」

人にとっては負の遺産でも、“物件”はある。それがときに利益を生む可能性もある。それを生かすか再度殺すかは所有者次第……。

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